旅のナンチャラ

ブラタモリ再始動

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~ NHK公式サイトより ~

この春に定年退職した同期のひとりが、九州ひとり旅の真っ最中です。旅先からメールが届いて、知覧と鹿屋には立ち寄ったらしく。ぶえん鰹を目指すのか、もし食べたならぜひ感想を聞いてみたいものですな。「いい旅を」とだけ返信しておきました。

さてさて。

待ちに待った、『ブラタモリ』の再スタート。ナレーターや音楽が新しくなり、少しだけ雰囲気も変わりましたが、相変わらずタモリさんは気負うことなく淡々としていて、旅心をくすぐられる楽しそうな姿は健在です。番組は30分に短縮され、ひとつのエピソードを何回かにわける放送となるみたいですが、タモリさんの体調を慮って、どうかムリせずじっくりとブラブラしていただきたいものです。近所だろうが有名観光地だろうが「おぉ~!?」とか「へぇ~~」こそが旅の醍醐味だと教えてくれた、この番組の復活はとてもうれしいです。

復活初回放送の『ブラタモリ』に続いて放送されたのが、『新プロジェクトX』の【ホンダF1 30年ぶりの世界一】。私が鈴鹿サーキットでF1観戦していたのは遥か昔のセナ・プロスト時代で、最近では「ホンダが撤退したり復帰したりしてんなぁ~」とニュースの片隅で眺めていただけでしたが、そうですか、今はF1もバッテリーとのハイブリットエンジンなんですね。ぜんぜん知りませんでした。印象的だったのは、ホンダが突如撤退を発表したラストシーズンの様子を責任者が語った「100人以上いるスタッフ全員の目の色が一斉に変わる瞬間を目撃した」でした。全員一丸の「やってやる!」。さぞかし鳥肌が立つような凄い光景だったのでしょうね。シーズン最終戦。無線で流れる「オーバーテイクボタンを押せ!」のGOサインで新型バッテリ―に溜めていたパワーを解放し、ライバルを突き放して優勝する瞬間の映像も、まるで映画のラストシーンのようでした。

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旅のW800

RICOH GRⅢx

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本日の鈴鹿8耐決勝。ザルコ、「さすがMotoGPの現役ライダー」を見せつけて鈴鹿の歴史に名を刻みましたね。来年はドゥカティワークスもMotoGPライダーを参戦させるとかさせないとか。マルケス・バニャイアともに参戦なら、久しぶりに観に行こうかな?と思っちゃいます。

さて。初代と二代目のW650にはそれぞれ3年3万キロと4年4万キロ乗りましたが、その間、定期的に交換していた消耗品はオイルとタイヤとプラグとブレーキパッド、あとはエアクリのエレメントくらい。タイヤが1万キロ以上使って前後3万円くらい、必要なプラグもエレメントもふたつだけ。オイルも3リットル。ブレーキキャリパーも前輪にたったひとつ付いてるだけ。好成績の燃費も含めてなんとも財布にやさしい単車ですが、今のW800をまもなく10万キロというところまで乗ってきて、さて、もういいかげん限界が近くてボチボチ交換が必要なパーツはあるのだろうか?と、5回目の車検を機に、てんちょうさんに診てもらいました。結果、ディスクプレートOK、クラッチプレートOK(てんちょうさん曰く、「14万キロオーバーの車両もあったけどW650と800でクラッチプレートの交換例はない」とのこと)で、過去に早目の交換をしておいたバッテリーやドライブチェーン&前後スプロケもOK、今まで一度も交換したことのないウインカーのバルブ(ヘッドライトはLEDに交換済み・テール&ブレーキランプはつい最近交換済み)とブレーキシューは念のために初交換。年末年始に亀裂が入り始めたウインカーのステーは、たぶんブラストバリアのステーを挟み込んでいるせいで遊びがなくなり、振動に耐えられなかったのでしょう、リアは今のところ無事なのでフロントだけを左右交換。ワイヤーケーブルは交換しなくてもよさげだったんですが、途中から装着したハリケーンのアップハンドル付属の汎用ケーブルの長さが気に入らなくて(余り過ぎ)、これを機にW800ストリート用純正での交換を依頼しました。結局、ここまで一番コストをかけてきたのは前後サスペンションでしょうか。OHに関しては本当はもう少し頻繁に実施したかったけど、これはもう私の財力のなさに起因することなのでやむを得ずです。

昔、『別冊モーターサイクリスト』という雑誌に《10万キロクラブ》という名物コーナーがありました。毎月のように新型車が発売されていたバイクブームの80年代に脇目も振らず同じ単車に10万キロも乗り続けるだけあって、誌面で紹介されているオーナーもみなさん濃厚(!)なタイプで。当時はいろいろな単車に乗りたい盛りだったので、(世の中にはスゲェー人がいるな)と素直に感心しつつも自分には無縁の話だと思っていましたが、近ごろでは「これは乗りたい!!」と思える単車も見当たらず、三度出戻りしたWならきっともう10万キロまで行けるはず…と信じて、結局、私も濃厚タイプという未知の領域をめざして乗り続けています。10万キロまではあと7千キロ(実はFスプロケがノーマルだったらたぶんオドの表示はもう10万キロ超えてます)ですが、できれば2年2万キロまでは行きたいなと。ここからはブレーキパッドとエンジンオイルとプラグとタイヤの交換くらいで済むのか、それとも想定外の大きなトラブルを喰らうのか。いずれにしても、今しばらくW乗りを楽しみたいと思います。

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旅のブラ呑み

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小 樽


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苫小牧


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函 館


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青 森


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新 潟


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福 島


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会津若松


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横 浜


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富 山


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上 田


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松 本


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松 江


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熊 本


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博 多


近ごろ、旅先で映画を観ることも楽しみのひとつになりました。博多や松本のようにショッピングモールの中にあるシネコンでもいいですし、上田のような古くて小さな映画館を路地裏に見つけて出かけてみるのも好きです。初めての街をブラブラしていて、そんな昔ながらの映画館が偶然目の前に現れると、なんだかちょっとうれしくなります。映画を観終えて外に出ると薄っすらと夕焼けの空。さて今宵はどうしたものかと、またブラブラし始めて。夕暮れどきから夜へと移り変わっていくときの街の景色がまたいいんですよね。まだ明るいうちに飛び込む居酒屋は、なるべくこじんまりとした店を探して。暖簾をくぐるときに(アタリかハズレか)とドキドキしたり、ピカピカに磨かれたグラスに注がれた綺麗な泡の生ビールにホッとしたり、「今夜は予約でいっぱいなんですよ!」とあっさり断られたり。『オススメはない』と書かれた貼り紙に思わず笑ってしまう店もあれば、(この店主、不愛想にもほどがある)と思いつつも料理が絶品でマイリマシタの店もあったり。元々晩酌の習慣もないしアルコールにも強くないので、呑み歩くというより、街ブラのついでにちょっと居酒屋にも立ち寄ってみるというスタンスで、なにかおいしい地モノが食べられたらうれしいなと。

そんな街ブラ好きが高じて旅の定番となった松本や会津若松には年に何度も出かけていますが、それでもいっこうに飽きる気配がありません。今年も、GRとともにブラブラできたらと思っています。去年、北海道や九州の街をブラブラしたので今年は別のどこかで。

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旅の滝めぐり

RICOH GRⅢx

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「最近、なんだか急にハマッてるんだね、滝に」と思われるかもしれませんが、実は昔から滝は大好きです。そう、タッキーです。丁寧に言えば、おタッキー(オッパッピィ~ではない)。写真は我が家の蔵書、今は無きエイ出版がカメラやクルマや家具など、各界のオタクに向けて繰り出していたエイ文庫のひとつ『滝王国ニッポン』ですが、この初版本購入が2007年のこと。ずいぶん昔です。写真集ほど大袈裟ではないけど綺麗な写真とマニアックな内容が好きな文庫シリーズで、すでに処分したモノもたくさんありますが、この『滝王国ニッポン』と『カワサキZ伝説』だけは手放さずに持っています。ちなみに、滝の魅力ってなんでしょう?音?あの勢い?清々しいスプライトなイメージ?近ごろではめっきり聞かなくなったマイナスイオン??自分で話題にしておいてアレですが、実は自分でもよくわかりません。

旅の途中、ツーリングマップルでルート上に滝を見つければ立ち寄ったりもしてきました。袋田の滝とか白糸の滝とかも、めったに走らないエリアだけにせっかくだからと訪れましたし、真冬の平湯大滝とか裏見の滝で有名な長野県高山村の雷滝なんかも印象に残っています。ただ、徒歩アプローチに時間がかかるとわかればパスしがちでしたし、真夏はキツいし真冬は防寒ウェアが発汗を想定していないしと、バイクツーリングとの相性はあまり良くないことから、唯一、何度も訪れた滝といえば、素っ裸で滝壺の温泉に浸かることのできる秋田の川原毛大湯滝くらい。普段は「好きなんだけど積極的には行かない…」みたいな、そんなゆるゆるの滝好きです。でも今、どうやらGRⅢxの存在が私をタッキーへと誘いつつあり…。

GR。つい先日、久しぶりにファームウェアのアップデートがあったばかりなのですが、現行モデルに対して細かい改良を続けてくれることもうれしいし、なによりも肌身離さず持ち歩けることがうれしい。高額でしたが、これだけシャッターを切る機会があれば趣味の道具としてはずいぶん安い買い物でした。そんな、気軽に撮れるGRⅢxの単焦点40mmなら滝撮影にどうかな?と思いつつ軽い三脚との組み合わせでいざ使ってみると、さほど不満に感じることもなく、内蔵のNDフィルターも便利。これなら旅の荷物としても負担にならないですし、これはちょっと真剣に撮り続けてみようかなと思い、まずはウェア類や荷物をポンポン放り込めるクルマでいそいそと滝めぐりに出かけ始めたところです。

問題は、熊とヤマビル。「熊が里に下りてきているから危険だ」と、すでに当時から『滝大国ニッポン』の中でも指摘されていました。秋山郷でツーリング中に遭遇したこともありましたし、当時は「ふぅ~~ん」と読み流していましたが、ここ数年、全国の熊の暴れっぷりはホントに怖いです。ヤマビルが山奥から里にまで下りてきた時期も、寄生する鹿やイノシシが人間界に出没し始めた頃と一致するそうです。世界的に見ても、ゾウやイノシシが増えすぎて人間が住処を追われる事態になっている国もありますし、ここ日本も、人口減少と過ぎた動物愛護の結末は、『猿の惑星』化でしょうか。都会で暮らしていると気にしないそんなことも、タッキーに変身するとたちまち身近な脅威なのです。輩キャンプブームもひと息ついたらしいので、そろそろキャンプツーも再開したいのですが、昔、八幡平のキャンプ場で聞いた熊の咆哮を思い出すと、果たして今キャンプなんかして大丈夫なのかと躊躇してしまいます。

そんなこんなで、GRⅢx片手の滝めぐり。自分の中の滝って新緑から真夏のイメージが強いので、これからしばらくは楽しめそうです。

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旅のシェーバー

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女性にはわからないでしょうが、ヒゲという存在はまことに煩わしい。なんなら、陰毛も存在する意味がまったくわからない。若者が全身脱毛する気持ちもよくわかります。ロングツーリング中に無精ヒゲで過ごしてみましたがただただ煩わしいだけでしたし、退職した今となってはなおさらサボってもいい身分なわけですが、出勤前の忙しなさがないぶん、毎朝今まで以上に念入りに丁寧に剃っています。

自宅使いのシェーバーは、大昔からもっぱらブラウン。いつだったか、評判を信じて丸刃三つが特徴的なフィリップスを購入してみたこともあるのですが、アレは剃りにくいし深剃りできないし、とっととブラウンに戻しました。シェーバーは替え刃が結構な値段なので、本体1万円以下の価格帯で選んで、刃の替えどきと感じるようになったら、替え刃ではなく、シェーバーごと新しくすることにしています。

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そんなブラウン使いの私が、初めてパナソニックを購入してみました。充電を終えてさっそく使ってみたら、ブラウンより静かだけどか細い音で、なんだか頼りなく仕事をしているのに、終わってみるとナニゲにちゃんと剃れています。ブラウンのようなジョリジョリと刈り取っていく音がしないので、「剃ったった!!」感にはちと乏しいですが、チリチリチリという、なんとも頼りない音ながらも実は確実に速く深剃りができているようで、肌に当てる感覚を掴むと「おっ!?コレ、なかなかいいじゃん!!」となりました。毎日使うモノですからね、快適な使い心地はありがたいです。

初めてのパナシェーバーと言いましたが、実は、旅用のシェーバーに限っては、かなり前からパナソニックに。こちらもブラウンからの変更でした。軽量コンパクトで乾電池式で丸洗いできることが条件ですが、その条件にピッタリで、しかもよく剃れるので、気に入って使っています。これまた女性にはわからないでしょうが、硬くて中途半端な無精ヒゲはヘルメットの内装やあご紐を傷めるので、これで毎朝剃るわけです。もちろん、「その点、女はラクでいいよなぁ~」なんてことは申しません。化粧やら、生理やら、トイレ問題やら、もっとたいへんで煩わしいことは承知しております。ですから「髭くらいでガタガタ言うなっ!!」と言われれば、「ハイ、ごもっともです」と。でもねぇ~、本当にジャマなんです。ちなみに、特に夏なんかは陰毛も剃ってます、ハイ。1990年代、篠山紀信の写真集で「いよいよヘアヌード解禁!!」と騒がれましたが、個人的には(陰毛なんか見てナニが嬉しいの??)と思ってましたね。

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旅のシートバッグ

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ツーリングに使うバッグと言えば、とりあえずタンクバッグ。少し荷物が増える日帰りツーなら、シートバッグ。そんなバッグ類でずっとお世話になっているのは、ラフ&ロードかタナックス製品。使い勝手がよくて丈夫だからですが、特にタナックスは、日帰り~1泊用・連泊用・キャンプ用と、それぞれの用途に合わせたサイズで、3個のシートバッグを使いわけています。

そんななか、日帰り~1泊用としてタナックスを処分して使い始めたのが、ヘンリービギンズのツーリングシートバッグSです。もうかれこれ3年以上使っていますが、このサイズではド定番であるタナックスのミニフィールドシートバッグよりも、使い勝手は上でした。

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このバッグに目をつけたきっかけは、バッグの形状維持用に挿入されたワイヤーと補強パネルです。ミニフィールドシートバッグで唯一不満だったのは、この形状維持パネルが小さくて弱いためにシートに載せて取付ベルトを引くと、しっかり固定しようとすればするほどバッグの形が崩れてフニャフニャしてくることでした。他にはなんの不満もなかったし、形が不細工になるのも(まぁ~こんなもんでしょ)とずっと諦めていたのですが、後発の、しかもあのデイトナが、今さら王者タナックスにバッグ類で勝負を挑むのだから、さぞかしそういったネガな部分は潰してあるに違いないと期待して買ってみたのです。結果、買い替えて正解でした。

 

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まず、バッグの中が白い!!収納したモノが見やすいです。また、底部と前後に大きめで硬い補強パネルが入っているので、収納する荷物が少なくてもバッグがフニャフニャと潰れません。開口部がタナックスよりも広いので、買い出しした日本酒四合瓶の収納もスムーズになりました。

 

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そして、上部のカバーに施されたパルステープには、アウトドア向けのポーチなどが簡単に取り付けられます(純正にもアリ)から、左右の収納ポケットにプラスして増設してあります。

 

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ちなみに、4本の取り付けベルトは、バッグ取付時に余る部分をベルクロテープで留めてあります。こうすることで、毎回、クルクルとどこかに巻きつけたりといった手間が省けます。複数台所有の人には使えない方法ですが、常に決まったバイクに載せるのであれば、このひと手間で出発準備がかなりラクです。ベルト自体も、タナックスのミニフィールドシートバッグよりも大きめの、しっかりしたモノが使われています。こうしたバックル類や補強パネルなどは、タナックスも今更ながらに改良版を出したようですが、これも後発のデイトナ製品に危機感を覚えたからに違いありません。競合製品の存在って大事ですね。ただし、そうした改良は販売価格アップのきっかけになってしまうという、そんな負の一面もあります。今までできるかぎり価格を抑えていてくれたタナックスにも感謝です。

 

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日帰りツーで常時携帯しているのは、レインウェアとインナーダウン、あとは、財布、携帯、デジカメを収納して単車を離れるときに持ち出すボディーバッグくらいですが、これにプラスして、身体が干からびないためのペットボトルや買い出しした日本酒のことまで考えると、どうにもタンクバッグではムリ。近ごろでは日帰りツーでも面倒がらずにシートバッグを使うようになりましたが、これもヘンリービギンズのシートバッグを使い始めてからです。幸いなことに今まで一度も使ったことのないレインカバーも、今回、初めて広げてみて感心しました。よくあるのは、バッグに被せてドローコード一本で引っ張りグイッと絞って風で飛ばないようにバッグの下に押し込んで…ですが、コレ、ドローコードが前後と上部に計3本も用意されていて、しかもバッグの下に通してカバーを留めるバックル式ベルトまでついていました。付属レインカバーにここまでこだわるのか?やるな、デイトナ!!

旅の荷物は、ちゃんとしたメーカーが作るしっかりとしたバッグを、きちんと装着&固定して、周囲の走行車両の迷惑とならないようにしたいものです。四輪で頻発するタイヤの脱落や積載物の落下事故はライダーも決して他人事ではなく、まさに他山の石。私の某後輩なんか、少なくとも東北ツーで二度、シート後部に積んだレインウェアとか、リアキャリアのパニアケースとかを路上に落下させています。まぁ~、あのオトコは服も路上に脱ぎ捨てちゃう裸イダーですからぁ~、やむを得ないというかなんというかぁ~…。

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旅の缶コーヒー

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コンビニに行けば手軽に温かくて美味しいコーヒーが飲める時代ですが、それでも田舎道を走っていてふと飲みたくなったときにありがたいのは、道端に見つけた自動販売機でガコン!!という音とともに出てくる、あの缶コーヒー。

今は毎朝コーヒーを飲む習慣のある私ですが、若い頃はコーヒーという飲み物がとても苦手でした。かと言って、コーラとかの炭酸飲料も嫌いでしたので、当時、自分はいったいナニを飲んでいたんだろうかと訝しく思うわけですが、とにかく、仕事中も頻繁に飲むようになってくると、なんだか「とりあえずコーヒー」みたいな習慣もいつしか身についてきて、でも、苦いからミルクかフレッシュは必ず入れなきゃみたいな、そんなある日。職場で師匠に「コーヒーをブラックで飲んで苦くないですか?」と訊ねたら、こう言われました。「あのさ、日本茶にミルク入れる?砂糖入れる?入れないでしょ」と。そう言われるとホラ、こうみえても若い頃はずいぶん素直な人間でしたので、「なるほど!」と感心し、(そういうものか)と納得もして、それからは頑張って師匠をまね、コーヒーはブラックで飲むようになったわけです。

ところがそんな師匠の名言から20年後、知り合いのブラジル人が自販機で買って手にした缶コーヒーを見て驚きました。なんと、ミルクと砂糖入りの缶コーヒーなのです。ブラジルと言えばコーヒーの本場、それくらいは私でも知ってます。そのブラジルからやってきた男が飲もうとしている缶コーヒーがミルク入り??私は戸惑いつつも彼に声をかけました。「ブラジルでもミルク入りのコーヒー飲む人がいるんだねぇ~」と。そうしましたら彼曰く「ブラジルではみんなミルクを入れて飲む。ブラックでは飲まないよ」と。

そんな缶コーヒー。カフェインが入っているから眠気醒ましに飲むと良いと言いますが、実際に飲んでみても睡魔に効いたためしはなく、むしろ、寒い季節には頻尿マシマシになるという、違う効果だけを体感することになる高齢者には酷な代物です。それでもやっぱり、旅先でのひと休みではふと飲みたくなるわけで、ブラックで、たまにはミルク入りで、それなりに嗜んでいます。

そうそう、コーヒーフレッシュが実は白く着色したサラダ油だと知ったときも、ビックリしましたね。もちろんいっさい使わなくなりました。

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旅のメガネ

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フレーム ☆ Ray-Ban RB6502D

レンズ ☆ 東海光学 ニューロセレクト5X DL ESC P-UV トゥルーグレー10%

眼だけは自慢だったのに、仕事帰りに地下鉄の中吊り広告やクルマのナンバープレートがぼやけて見えることに違和感をおぼえるようになり、空を見上げれば三日月がモンスターエナジーの爪痕のように見えるようになった時点で乱視確定でした。仕事場でパソコン画面を見る距離だと違和感を感じないものだからずっと疲れ目だと勘違いをしていて、だから気づいたときはショックで。それからは、仕事用とかパソコン用とか運転用とか、いろいろなフレームのいろいろな用途のメガネを作っては「これぢゃない!!」の繰り返しでした。店頭で選んだときは「これだ!」と思うんですけどねぇ~。しかも、ヘルメットを被って使うという難題がプラスされているので、ときにはヘルメット持ち込みで選んだこともありました。40歳くらいからメガネを使い始めてすでに20本くらいは作ったと思うので、今は、なんとなくですが、メガネの幅やツルの長さ、鼻あての位置を見ると(あぁ~、これはヘルメットには合わないな)というのはわかるようになりました。でも、やがて乱視との闘いにじわじわと老眼が参戦してきたものですから、今度は遠近両用レンズやら手元専用の老眼メガネやら。いったい世の中の人はみな、こんなにメガネであれこれと苦労しているのだろうかと、ふと疑問も湧いてくるのですが、こどもの頃からメガネを使っている人に訊くと、たとえ少々ひん曲がった鼻あてやツルのメガネでも神経質にならずに「メガネなんて見えればいいのさ」と割り切っている感じです。

旅メガネを一本。近赤外線やレンズ裏面からの反射紫外線もカットするレンズを選択しました。現役だった頃も、こういう知識と対策を念頭にサングラスって選ぶべきだったんだなぁ~と。すでに手遅れですが。60年間の酷使によって目の経年劣化は避けられないわけですが、黄斑変性症や緑内障・白内障、網膜剥離等、旅や運転や日常生活に影響する目のトラブルを防げるものなら少しでも防ぎたい、その一心です。カラーレンズを選びましたが、もはや仕事とかは関係ないので、もう少し濃度を上げてもよかったなと反省しています。

ヘルメットのなかで曇るし、雨の日は濡れて見づらいし、グローブと一緒にシートの上に置いたつもりがすべり落ちてレンズが傷ついたり、疲れてくるとかけたままヘルメットを脱ごうとしてイラッとしたり、なにかと煩わしい存在のメガネ。でも、旅先で景色がはっきりクッキリ見える幸せのためにも手放せないのです。

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旅のカメラ

CASIO EX-ZR3000

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ついに、EOS-Mシステムの終了が宣告されたみたいです。GRⅢxの購入時に、ボディとMレンズやEFレンズのすべてを手放したのがちょうど2年前でした。(このシステム、このままオワコンだ)と感じたからですが、キヤノンとしてもできることなら無かったことにしたい黒歴史でしょうか。初代のコンセプトのまま、シンプル・軽量・コンパクトをどんどん追求してくれていたら…と思いますが、そんな需要はまったくなかったということかな。

春に出かけた30年振りの九州旅の際には、きっと広角レンズが欲しくなると思い、バッテリーのもちもすこぶるロングなカシオのZR3000を久しぶりに持ち出しましたが、北海道や東北の旅に持参したGRⅢxもいい旅カメラだと思っています。どこにでかけるときでも迷わず持ち出す気持ちになれるというメリットはやっぱりとても大きいわけで、(あぁ~、長いレンズがあれば…)とか(広角レンズじゃないと…)という場面に遭遇した際には、ほんの一瞬だけミラーレスとレンズたちを手放したことを後悔しつつも、(でも、そもそもココに持ってきてたかオレ??)と想像力を働かせてみれば、「イヤイヤきっと絶対持ってきていなかったでしょう、あーたは!!」と。そうなんですよねぇ~、荷物が増えるし、重いし、そして面倒だ(コレ重要)。iPhoneで写真を撮るという決断をすればもっともっと身軽になれるのはわかるのですが、私には【趣味としての写真を携帯電話で撮る】という脳内変換はムリでした。

GR。なにしろ姿かたちがコンパクトカメラなので、ついついAPS-Cの換算40mmだということを失念して被写界深度をしくじる気軽さは相変わらずですし、もう少しAFがお利口さんだとありがたいなとも思いますが、これはもう自分が頑張ってカバーできるお利口さんになるしかないなと。要注意はここぞというときのバッテリーでしょうか。ホントに体力(容量)がないので、ウソ?ここでダウン!?ってこと、よくあります。右手に握ったままで、設定を変更したりシャッターを切ったり。片手保持でサクサクと撮れてしまうので、どうしても知らず知らずのうちに撮影枚数が増えていますから、予備バッテリーは必携です。

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ところで。世の中には、今もフィルムカメラを愛用している人たちがいます。それはアナログレコードが令和の時代に復活していることにも通じる話なのかもしれません。大須では、アップルウォッチやVR機器と、レコードプレーヤーや交換針が同じフロアで売られていたりもしますし、カセットテープやラジカセだって復権しているんですよね。

アナログ時代の最先端・最新モデルというのは、今どきのデジタルな家電製品よりも、うんとキラキラしていたように思います。そして、フィルムを巻き上げるときの音やレコードに針を下ろすときの瞬間は、『素晴らしい思い出』としてさらにキラキラ補正され、カセットテープが巻きついて絡まってしまったり、カメラの裏蓋がうっかり開いて撮った写真が全滅した『不幸な思い出』は、薄ぼんやりと記憶から消去されていたりしますから、「もう一度あの頃を楽しみたいなぁ~」と昔を懐かしむ人が一定数存在するのはわかるような気がします。その点、デジタルカメラって今の若者には無縁で、家電としての歴史も浅く全盛期も短命だったので、将来、「昔、使ってたよ。懐かしいなぁ~」とデジタルカメラにノスタルジーを感じる世代は現れないでしょう。

今どき新婚旅行の持ち物リストにすら入らないカメラという荷物を、わざわざ抱えて旅先で写真を撮るのは自分の趣味だと思っていますが、そのうち趣味は?と訊かれて「デジカメで写真を撮ることです」と答えると、相手が「へぇ~…」と風変わりな生き物を見つけたような目でこちらを凝視するなんて時代になりますでしょうか。80年代のオタクを見るような目で見られるのがデジタルカメラを持ち歩く人で、好意的にマニアとか愛好家と呼ばれるのがフィルムカメラやレコードを愛する人??それよりも、AIによる画像生成の進歩と普及が早すぎて、「そもそも風景写真を撮るってナニ?どぉーゆぅーこと??」という時代になってしまうのかも。すでに国際的な写真コンテストで、AI生成画像が見破られることなく優勝してしまうという事件も起きていますし。こうなると、『わざわざ旅に行く』とか『カメラで写真を撮る』というその行為そのものが、アナログの極みとして語られるようになるのかもしれません。未来の人々はVRで旅行するのでしょうか。大手旅行代理店は当然考えているでしょうね。「安心安全、どこでもOK」なVR旅行。大昔観た映画『トータルリコール』のようです。

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旅のスカイライン

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知らず知らず、あの空前のバイクブームの真っただ中にいた40年前。あの頃は、もうとにかく単車で走っていればゴキゲンだったので、職場の同僚などと毎週末のように日帰りツーを繰り返していました。名古屋をスタート、目指す場所はなんとなく決まっていて、国道156号ならとりあえずひるがの高原、さらに進むなら白川郷。国道19号ならとりあえず開田高原で、さらに走るなら野麦峠。国道41号ならとりあえず飛騨高山で、さらに行っとくなら乗鞍でした。便利なインカムもない時代、信号待ちでヘルメット越しに会話をひと言ふた言交わすくらいで、あとはただひたすら走り続ける、いつもそんな感じでした。

ネットも無いあの頃、地図にある有料道路の存在というのは、「きっといい景色に違いない」というひとつの目安というか、泊りがけででかけるときもツーリングマップルを眺めて、わざわざ遠回りしてでもとりあえず有料道路をルートに入れるのがあたりまえでした。でも、そんな有料道路の成り立ちまで考えれば当然なのですが、これが走って楽しいかどうかは別の話なわけで、麓の有名観光地や都市部の渋滞を迂回するために開通した道路だったりすると、風光明媚どころか、何も見えない、走っても楽しくない、あぁ~終わっちゃったよ…、そんな、お金だけ取られた気分になる有料道路が存在することも、だんだんとわかってきました。それまで、地元のグリーンロードやら茶臼山高原道路やらしか知らなかった私の、県外ツーリングにおける有料道路の初経験が『雲海に飛び込む快晴のビーナスライン』だったこともあって、その後も「あの感動をもう一度」と期待し、名ばかりのスカイラインを走っては騙され、走っては騙され…の繰り返し。

私が愛してやまない道は、磐梯吾妻スカイライン、志賀草津道路、八幡平アスピーテライン、そしてもちろん、あのビーナスラインです。どこも無料開放されたのはありがたいことです。本当は、ここにもう一本の山岳道路を加えて個人的ベスト5としたいところなのですが、それが、無料化とともに規制が始まってマイカーでは走れなくなってしまった乗鞍スカイラインなのです。この道路の素晴らしさは、なんといっても2,702mの畳平をメインに、平湯峠・安房峠・乗鞍エコーライン・乗鞍スーパー林道・野麦峠・九蔵峠と、とにかく一日中くねくねザンマイ、脳内麻薬出まくりのライディングハイが得られる、極上のツーリングルートの中心に位置していたことです。さらには、平湯峠から乗鞍スカイライン、帰りは安房峠で下ってそのまま上高地入りするという、今では想像もできないワガママルートも可能でした。

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ラストイヤーにも走った、乗鞍スカイライン。やがて上高地も、後を追うようにして通年マイカー規制に踏み切りました。当時、規制開始ギリギリまで、乗鞍岳と上高地のあの絶景を日帰りで、しかもツーリングで、幾度となく楽しめていたのは本当に奇蹟だったんだなぁ~と、今となってはしみじみと思うわけです。

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