苗木城と穴観音
RICOH GRⅢx
穴観音
苗木遠山史料館でその存在を知った、『穴観音』。岩の下に見える扉は、ミニチュアではありません。なにしろ岩が巨大すぎるのです。一見の価値アリです。
苗木遠山史料館
前回は、一番手前の駐車場にW800を停め林間コースで城跡へと歩きましたが、今回はクルマで奥の駐車場まで進み、史料館にも立ち寄ってみました。一階入り口の正面には、在りし日の苗木城が見て取れる模型が展示されています。「あの狭い岩山に、こんなにも櫓や屋敷が建てられていたのか!?」と驚いてしまいました。やるな、一万石!!これは必見です。この模型以外の展示物は撮影禁止なのが残念ですが、個人的には、高齢の村人が遠山の殿様から直々に盃を勧められている様子を描いた一枚の絵にハマりまして。列席者それぞれの発言が、漫画のように会話調で書かれていて、これがクスクスッと笑えるんです。入館料は330円(JAF会員は270円)です。
溜め池
大矢倉の裏手、北門の近くにある天然の岩と石垣で丁寧に囲われた立派な溜め池。山城だけに大切にする気持ちはわかるけど、三浦先生曰く、「石垣で囲んだ贅沢な溜め池は日本中の城郭に三か所しかない」「しかも丁寧な切込接で横矢掛かりの形状まで持たせている」「これはよほど石垣遊びが好きな殿様だ」と。笑ってしまいます。
埋 門
ごく限られた全国の名城でのみ見られるという、巨石を積み上げた埋門(うずみもん)。真ん中がひび割れているし、訪れたこどもがこの上で飛び跳ねて遊んでいるでしょうし、劣化を考えるとこの下をくぐるのはちょっと怖いです。これだけを見ると縄文時代の遺跡みたいですが、史料館の模型を確認すると、塀で囲われた建物群の一部として取り込んでいる様子がよくわかります。
大矢倉
三の丸にある大矢倉。あまりにも立派過ぎることから、武家諸法度第6条で禁じられた新規の城郭建築を疑われないよう、「これは大きな鳩小屋でこざいます!」と幕府に申告したという逸話があり、また、本丸から見下ろした現代の風景が「まるで日本のマチュピチュだ」と、なかなか人気の遺構です。
苗木城天守台
京都の清水寺ふう懸造(かけづくり)の木造天守台は、天然の岩場に足場を削り出してその上に柱を載せています。この天守台も含め、このせいぜい20畳程度しかない狭い本丸に千畳敷と称する御殿まで建てていたという、苗木城の殿様。大矢倉しかり、溜め池しかり、埋門しかり、そしてこの本丸もしかり、単に見栄っ張りだったのか、意地っ張りだったのか、はたまた全国の有名な城郭・神社仏閣に憧れがすぎたのか。そんな一万石殿様のこだわりっぷりも、麓の史料館にある模型の見どころのひとつです。
馬洗岩
この上に馬を引き出し、水に見立てた米粒で洗っているように見せて、取り囲んだ眼下の敵に水不足を悟られまいとした…らしい、巨石。これだけでも見る価値があります。元々ここにあったものなのか、ここに移動させたものなのか、斜面に載った様子はなんとも不安定な角度で、地震が来たら木曽川に向かって落下していくんじゃないかと心配なくらいです。
二の丸御殿
小屋が建てられていたのかな??程度にしか見えないこの二の丸跡地ですが、礎石の上はもちろん、木製の土台で石垣から外側へと突き出して、さらに床面積を広げた御殿だったそうです。
風吹門(大手門)
大矢倉の脇に建てられていた風吹門は、1996年に移築先の寺から戻されて史料館一階に展示されています。この櫓門だけでも復元してほしいものです。
苗木城遠景
眼下の木曽川から天守跡までの標高差は、約170m。背景の恵那山の存在が効いていますね。時間ごと、季節ごとに変化していく風景を眺めては写真を撮ってみたいという気にさせる山城跡です。やっぱ、名古屋城よりもうんとテンション上がりますわ、ココ。
次は美濃金山城に行っとくか、それとも未登城の現存12天守にするべきか…。いずれにせよ、真夏はムリなので今のうちに。
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