備中松山城
RICOH GRⅢx
平日の早朝にもかかわらずSAやPAが賑わう高速道路をひた走り、岡山県の山奥にあって「日本一高い山城」と謳われる備中松山城に行っときました。ややこしいことに四国にも松山城があり、秀吉の水攻めで有名な備中高松城ともついつい混同しがちな、しかし現存12天守であり、そのなかで唯一の山城です。
大袈裟なことを言えば生まれたときから岐阜金華山や小牧山を眺めているせいか、山城というのは山の上に天守だけが建っているポツンと一軒家的なモノだとばかり思い込んでいましたから、こうして改めて勉強しながら明知城・小牧山城・苗木城・岩村城と巡ってみて、とんでもない勘違いをしていたなと思い知りました。でもこれって、中部地方で生まれ育った城めぐり初心者あるあるなのかもしれません。もっとも、名古屋近郊の城が全て鉄筋コンクリート製天守だからといって、さすがに「えっ!?城ってコンクリートで出来てたんぢゃないの??」と言う人はいないと思いますけど。そんなこんなで本日の現存天守の山城めぐりは、とても貴重な体験なのです。
鞴峠~太鼓の丸
標高487mの臥牛山(がぎゅうざん)山腹に築かれた城郭に登ります。クルマや単車は城見橋公園に停めてシャトルバスで鞴(ふいご)峠まで、もしくは直接鞴峠の駐車場まで。基本的に週末はシャトルバス利用ですが、平日でも来場者が多ければ狭い鞴峠の駐車場はたちまち満車です。と言うことで、私がでかけた平日も鞴峠までクルマで行く予定だったのですが、混雑するということでシャトルバスでの往復となりました。ちなみに鞴峠までの山道はすれ違いが困難なクネクネ狭路ですから、素直にシャトルバスに乗り換えたほうが無難だなと思いました。ここからの山歩きはちょっとしんどいのですが、岩村城ほどのひどい息切れはありません。
大手門
登っていくとまず目の前に現れるのは、こちらにせまってくるような威圧感の大手門。高さ10m以上の巨大な岩の上に築かれた石垣を見上げて、思わず「おぉ~~!!」と声をあげてしまいました。
三の平櫓東土塀
重要文化財三の平櫓東土塀(さんのひらやぐらひがしどべい)は、厩曲輪の土塀とともに一部現存のもの。繋げた復元部分との違いは、壁の段差で確認することができます。
石垣群
とにかく圧巻なのが、岩盤を取り込むように積まれた野面積や打込接の石垣。見上げては「すごっ!」、見下ろしては「すげぇ~!」の繰り返しでした。敵が急峻な山道を攻め登ってきても、高い位置にある土塀の狭間から丸見えだったことでしょう。
天 守
二の丸に上がると、正面に復元された五の平櫓と、二層二階で高さ11mの重要文化財天守が現れます。入場料500円は、石段を上がった本丸南御門で。
急勾配で直角に折り曲げた踊り場が、天守内最後の防御となる階段。足を滑らせて落ちないよう、角部に滑り止め加工が施されています。外からは見えにくく中からはよく見えるという連子窓(武者窓)や、天守内ではなかなか見かけない大広間の囲炉裏、一段高く設けられた城主専用ルーム装束の間(しょうぞくのま)も、この城の特徴です。
神棚が最上階の屋根裏高く祀られている城はよく見かけますが、この城は狭い階段を登った先の二階正面に、この御社壇。かなり珍しい眺めです。
現存12天守のなかで最もコンパクトサイズと言われる天守の外観をグルリと見て回れば、黒い縦板張りの白漆喰壁や屋根と一体化した唐破風や石落としなどを見上げることができます。後ろには二重櫓がひかえています。
二重櫓と本丸東御門・腕木御門
天守の裏手へと進んでいくと、「これで崩れてこないわけ??」と心配したくなる、重要文化財二重櫓が現れます。基本、下から見上げるのが山城の風景ですが、ここ後曲輪の上に立って、真横に奥行きを眺める二重櫓と天守の山城ビューは必見です。
猫城主さんじゅーろー
休憩中とのことで残念ながらお目通りは叶いませんでしたが、城主のさんじゅーろー殿。元々は城に住みついた迷い猫で、元の飼い主に改めて別れを告げたのち、正式に城主となられたそうです。かわいい顔してます。
来てよかったです、備中松山城。あまりにも夢中になりすぎて、大手門の高い石垣の上で後ずさりしながら写真を撮っていたら危うく転落するところでした。滝めぐりもそうなんですけど、山城もカメラのモニターにばかり気を取られていると「落ちたら死ぬ」恐れがあります。
現存12天守は、残り四城(丸岡・丸亀・伊予松山・宇和島)。行けそうなら今年中に…と考えています。また、日本三大山城は残すところ奈良の高取城だけですが、こちらは…たぶん行かないッス。
下山後の昼メシに
麓に下りて、すぐ近くで昼メシを。ナポリピッツァ専門店『澪』。とってもおいしいピザですが、大きくて腹パンでした。
さて、腹ごしらえを済ませたら、岡山県の山奥から瀬戸内の海沿いまで走ります。2年ぶりのアソコです。
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