RICOH GRⅢx
気温14℃
9:00~15:30
R19~R21~県366~R418~県353~県412~R418~県394~県65~R21~県83~R19
180km
このエリアに、気になっていたモノがふたつほどありまして。鬼岩公園の上にある松野湖と、八百津に新しくできたおにぎり屋さん。本日は暖かくなりそうなのでデッシーも誘い、このふたつの「気になるでござる」を繋ぐルートを選んで、あとはノンビリと気の向くままに。
まずは、国道21号で土岐インターの横を通過、いつも賑やかな道の駅『志野・織部』でトイレ休憩を済ませたら、峠を越えた先の鬼岩公園入り口右手にあるラブホの脇を通り抜け、山の上にあるらしい湖へ。(こんなとこにビンテージなラブホ!?)だったり、(こんなとこに朽ち果てたプール!?)だったりして、(もしかしてこのあたりは土岐市民の憩いの場だったのか??)と往年の賑わいを想像しつつ眺めつつ、狭い峠道をクネクネと上っていきます。周辺の国道や県道は走り回っていたものの、なぜかそれらに挟まれたこの峠道やダム湖には一度も訪れたことがありませんから、これらの昭和遺産(?)を目にしてますます興味津々です。
【飛騨木曽川国定公園 松野湖】

(もしかしてこのダム湖周辺のダートのことか、スギがいつもオフ車で走り回っているのは??)と想像するくらい、「へぇ~、こんなにあちこちに林道らしき枝道が…」という道でした。1961年に完成したらしいこのダム湖自体は、どうということもないこじんまりとして静かな風景でしたが、湖の向こう側には遠く恵那山も見えていて、どうやら野鳥の撮影がさかんなのか、巨大な望遠レンズを装着したカメラを抱えた人たちが何人も。桜の木もあるし、春に訪れたらポカポカと気持ちよさげな場所でした。ダム湖を一周してみようとしましたが、途中からは荒れ果てた道に。「汚れるし、やめとこうか?」と声をかけると、てっきり突撃を命じられると思ったデッシーもホッと一安心。オフ車に乗ってる頃に来たかったな、この場所。
ここから丸山ダムに抜け、八百津のおにぎり屋さんへと向かいます。この県道366号は交通閑散でかなり気持ちいい道ですが、なぜか最近走っていませんでした。気持ちよくカーブを走り抜けながらインカムで「こんないい道だったっけ?なんで走らなくなったんだっけ、オレ?」とデッシーに声をかけたら、「いいッスね。ボケるとなにもかもが新鮮で!」と。
【おにぎりスタンド COCOCA723】

営業時間 8:00~14:00 定休日 火・水曜日
郵便局の向かい側に、昨年の秋オープンしたばかりのお店です。以前にも店の前までは来たもののお休みでしたから、ようやく本日初体験です。
おにぎり2個セット¥400を、塩むすびと鮭で。テイクアウトもできるようですが、迷わず店内でいただきます。みそ汁と組み合わせようと思ったら、週末はやっていないそうです。大阪から移住してきた女性店主が営むおにぎり屋さん。かわいらしい店内のインテリアとかわいらしいサイズのおにぎりで、どちらかというと女性向けなのかもしれません。

店を出るなり、デッシーと顔を見合わせ、「御嵩屋、行っとく!?」となりまして。阿吽の呼吸と言うか、やや物足りなかったというか…。で、すぐ近所にあるお店『肉の御嵩屋』でいつもの飛騨牛コロッケ(一個100円)を買い求めて、裏の駐車場でひなたぼっこしながらひとり2個ずつ。「やっぱウマいっスね!ここのコロッケは」「おいしいよなぁ~。これをお取り寄せで提供すればいいのに、さっきのおにぎり屋さん」「そぉースね。その組み合わせにみそ汁があれば完璧ッスね!」というのが、われわれの結論でした。
とりあえずいったん国道19号方面に戻るつもりだったのですが、せっかくの週末ですし、またまた旅足橋に行っときましょう。
【旅足橋】

鉄骨をワイヤーで吊る工法でかけられた、国内唯一の橋。前回は工事中の看板とかパイロンが写り込んだのですが、すでに工事は終わったみたいで橋の風景もすっきりしていました。今日は快晴なので、川面もキラキラと輝いてきれいです。



【湯谷橋】
去年、平日に訪れて通行止めをくらった湯谷橋に向かって、木曽川沿いに反対側から進んできましたが、秘境感漂うなかなかの景色でした。週末しかこの秘境エリアに進入できないのが残念ですが、新丸山ダムの完成までに何度か訪れておきたいと思います。

平日に訪れると、ちょうど写真の位置にガードマンが仁王立ちしています。橋を渡って右に進むと、幾度となく発生する崩落でついには塞がれたまま再開通が断念されてしまった、全国的にも有名な酷道418号区間です。新たな国道418号の延伸は着々と進んでいますが、この橋を渡ったら左折(右折通行止め)して、山の上を走る新しい国道418号めがけて、狭い峠道をクネクネと上ります。

そんな、前回「こちらからのアプローチはオススメしない」と書いた旅足橋への東側からのルート。やっぱり道は荒れていますから、前日にいそいそと洗車してピカピカに磨いた単車を絶対に汚したくない!!という人は、素直に西側からのルートでの往復をオススメします。デッシーも「ゲッ!?クソッ!!」と悪態をついておりました。
【険道394号】
いつもの分岐で坂折棚田方面に進まず、県道412号で武並橋へと一気に下る、個人的にはコークスクリューと呼ぶ(アメリカのラグナ・セカみたいだから)ルートに向かいましたが、コークスクリューが始まる手前の分岐で「こっち、走ったことないような…。ちょっと行っとく?」とデッシーに声をかけて進んだ挙句、どこを走っているのかさっぱりわからなくなりました。「この〈とにかく下れば辿り着くでしょ!〉…は、山で遭難するタイプだわ、オレ」と自虐的に呟きながらテキトーに走っては行き止まりを食らいつつやみくもに走っていると、「あっ!?この道の先って、なんとか座があるとこぢゃないッスか??」とデッシー。「なんとか座?映画館のミリオン座的な??」とからかっていたら、ホントに現れました、有形文化財の『五毛座』の看板が。「すごいな、オメェー!!」とビズリーチしたら、「なに寝ぼけたこと言ってんスか!昔、このあたりはいい道だぞって連れてきたの、師匠ぢゃないですかっ!」と呆れかえった声が。そぉーゆぅーとこは、触れないでおくわけにはいかないか!?
デッシーのおかげで無事にコークスクリューも堪能し、武並橋を渡って国道418号へと進みましたが、途中、懐かしの険道の存在を思い出し…。「これで大湫宿に抜ければ、朝走ってた鬼岩公園方面に抜けるね」と、【積雪により通行止め】の看板を何度も無視して進んでみました。「どーせ旅足橋巡りで汚れたし、ドロドロ&ツルツル覚悟で」と進んでいったら、意外とあっさり積雪もなく。「どこらへんが地盤沈下してるんだろうねぇ~??」と会話しながら、近ごろ話題の大湫宿に到達します。

【中山道 弁財天の池】
いつもよりも水量の少ない池のほとりで休憩。ちょうど大湫宿と細久手宿の中間にある池ですが、池の中央には、今から189年も前に建てられた石祠があります。いにしえの旅人もここで休憩していたのでしょう。浮世絵の風景に魅了されて中山道を徒歩旅している外国人もいますが、さすがにここで見かけたことはありません。浮世絵。たしかに日本人の私が大湫宿や細久手宿を描いたものを見ても、(これはどのあたりから見た風景なんだろう?)と興味をそそられます。ちなみに馬籠宿を描いたものを見てみると、もはや単なる崖です。面白いなぁ~。


【山の小さなハム工房 中山道ハム】
営業時間 10:00~17:00 定休日 水曜日と第1、3、5日曜日
細久手宿も通過しつつ、旧中山道ルートで県道65号を西に。ポカポカ陽気の山あいを気持ちよく走っていると、デッシーが「あっ!?」と声をあげます。「ナニナニ!?」とアクセルを緩めたら、「あの看板、ずっと気になってるんスけど」と。「どれよ?」「アレっすよ、ハム!」。
通り過ぎてしまったので「そんなに気になってるんなら」とUターンして、行ってみることにしました。
「こんな看板、あったっけ?」
「私が二輪免許取った10年以上前からありましたよ!」
「でも、これさぁ~、昨日、今日にできた看板ぢゃないの??」
「マジっすか?気づいてなかったんスか??ここ、どんだけ走ってます?」
「オレの認知機能にちょいちょぃ疑問を呈してくるね、チミ」

奥へと進んでいくと、きれいな工房がポツンと。覗いてみても誰もいませんし、店内には食事ができる雰囲気もなく、どうやら作業場だけみたいです。入り口には呼び出しボタンが置かれていたので、まぁ~せっかく来たんだしということで押してみたら、八百津のおにぎり屋さん同様、穏やかな雰囲気の女性が「すいませーん、作業してたんで。今開けますね」と駆けつけてくれました。
「今日はこれくらいしか用意がなくて」と言いながら見せてくれた商品の中から、私は『和風生ソーセージ』と『生ベーコン』を。デッシーは『和風生ソーセージ』&『ロースハム』の組み合わせで購入。保冷剤とともに包んでくれながら「試食用です」と、おまけで生ハムを二種類いただきました。「このまま食べられるんですか?」とデッシーが尋ねると「えぇ、今ここでも食べられます」と。その笑顔に、なんだかとっても癒されるお店でした。
ここでデッシーが、「ずっと気になってたんですけど、このお店っていつ頃からやってらっしゃるんですか?」と余計な質問を。「先代からですから、もうかれこれ30年以上になりますかねぇ~」という返答を得てこちらを振り返った瞬間のデッシーときたら、高度四千メートルの上空からこっちを見下げてくるドヤ顔で。「師匠、さっきナンて言ってましたっけね?昨日今日がどうとかこうとか…」黙っておくわけにはいかないか、チミ。
さて。「今すぐにでも食べられます」と聞いて、今すぐ食べたくなっちゃった私たち。お店の前の階段に座り込み、一枚ずつ口に入れてもうビックリ。「ナニコレ、ウマい!!」「これは間違いなくビールと合うッス!!」。まったりと寛いで「おいしい おいしい」と叫びつつもう一枚もペロリといただいてから「ボチボチ行くか」と重い腰を上げ、県道に向かってゆるゆると坂道を下っていくときにチラッとお店のほうを見上げたら、なんと手を振ってお見送りしてくれてました。スンマセン、そうとは知らず呑気に食べてましたぁ~。
本日、そもそもの目的は八百津のおにぎり屋さんだったのに、終わってみれば本日最大の収穫はここ『中山道ハム』さんでした。これはリピート確定です。帰宅してさっそく生ソーセージも焼いてみましたが、思わずスマホでデッシーに速報するくらいの激ウマ。翌日に食べた生ベーコンもまた、期待を裏切らない激ウマでした。

今回は、「いつものエリアなんだけど、いつもとはちょっと違う景色とかルートとかお店とか」で、200kmにも満たないショートツーリングがなんだかとっても充実した一日となりました。こんな感じならまだまだ単車で走り回るのも楽しいなぁ~と思います。
【余談 : 久しぶりの奥義】
天気予報を見て、(今日は暖かくなりそうだ)と思ったのですが、2年くらい前に箱買いしたホッカイロが使わずに残っていることを思い出し、久々に防寒の奥義を繰り出してみました。無印良品の薄いインナーダウンベストの内側、胸と肩と腰部分を温めるように6枚。酷い(!?)ときには10枚貼っていますが、今回はこれくらいで勘弁してやりました。モンベルのインナーの上からこれを羽織って、ハイネックの薄いクシタニミドルで保温層を作ったら、アウターにネックウォーマー要らずなパワーエイジのファージャケットを着て完成です。休憩していると、ポカポカ陽気にやられて背中が低温やけどしそうなくらいです。この薄くて嵩張らないダウンベストを使うことが、着ぶくれしないコツです。
