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2024年10月

秋の北信旅☆新町と12号

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快晴とは言わないまでも、昼頃になればそこそこの気温にまで上昇する毎日ですが、ツーリングにでかけようとする私の気持ちを完全に挫きましたね、大谷選手。ワールドシリーズが毎朝9時から生中継で放送されるものですから、ついついコーヒー片手に連日テレビの前に座ってしまいました。平日の朝っぱらからメジャーリーグのワールドシリーズを全戦観戦できるなんて、幸せなことです。

にわかファンなりに、フリーマンとかベッツとか、サングラス姿が映画『シビルウォー』であの名セリフを吐いたサイコパスそっくりなキケ・ヘルナンデスとか、大谷選手以外のドジャースの選手の名前も覚えましたよ。そういう人、けっこう多いのではないでしょうか。そうそう、あの軽快&爽やかなエドマンのファンになった人も大勢いると思いますし。

そして、ついにドジャースがワールドチャンピオン。大谷選手おめでとうございます。20代より30代、30代より40代と、どんどん加速する一年365日のスピード。そんなせわしない日常の中で思い描いていた自分の夢って、50代60代になってからこれは叶ったなとかあれは叶わなかったなとか、あれこれ振り返ってみるものだと思っていましたが、彼の【自分の夢を現実化し続ける人生】を見て感服し、ホントに東北にはすごい人がいる(いた)ものだなぁ~と、亡くなった西田敏行さんと大谷選手のことを同じくらいに想っています。

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さて、外湯ざんまいした翌朝の野沢温泉。

少し肌寒い午前8時半にお宿を出発したら、千曲川のほとりまで下ってからひたすら国道117号を走ります。

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続いて国道19号で目指すのは、【長野県登録第1号】の看板も眩しい道の駅『信州新町』。ちょいちょいテレビ番組に出てくるので気になっていました。蕎麦がおいしいとかなんとか。

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この道の駅、地元でも大人気なのか、平日なのにとっても混雑しています。入れ替わり立ち替わり、駐車場は常にほぼ満車です。肝心の蕎麦のお味はフツーでしたが、こうした道の駅等で提供される蕎麦のなかでは、『北信州やまのうち』と同じく安心して注文することのできる味でした。なにより安いし、朝8時半から食べられるのですから、JAZZ&作務衣蕎麦店のみなさんにもぜひ見習っていただきたいものです。

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道の駅『信州新町』を出発したら、国道から逸れて懐かしの県道12号に。尾根伝いに山間の集落を繋ぐこの道は、私の夏の信州ツーの原風景そのもの。青木村から北上するこの12号が大好物でした。

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久しぶりに芦ノ尻道祖神にもお会いしました。懐かしいなぁ~。

青木村までは下らずに、国道403号で安曇野入り。あとは松本市郊外で国道19号から離脱、カーピカランド~大信州酒造~下新駅~道の駅『今井恵みの里』と繋ぐいつもの抜け道で洗馬宿に出てから、再び国道19号へ。あとは淡々と帰るのみです。そう言えば、国道19号での速度取締りを最近頻繁に見かけるんですけど。昨日は黍生(きびゅう)洞門という小さなトンネルを抜けた先の北進車線で、そして今日は国道361号権兵衛トンネルとの分岐北側の山吹トンネル(分岐交差点にセブンイレブンがあるところ)手前で南進車線、さらにちょっと前には桟トンネル手前の南進でもやっていました。んんっ?もしかして長野県警はトンネルがお好き??

さて。思いつきで急きょでかけた秋の北信州でしたが、いつもの真夏の風景とは違って稲刈りの終わった田んぼの中を、ロンT一枚の上に冬用ジャケットといういで立ちで走るという新鮮な旅となりました。クズクズしていたらどんどん寒くなるし、ホント、このタイミングで行っといて良かったと思います。志賀草津道路の入り口を走っている際には、(あぁ~、角間温泉もご無沙汰してるよなぁ~)と後ろ髪ひかれる思いでしたが、ここにもまたいつか。ちょっともう飽きたかなぁ~と思っていた信州なのに、サボっていたおかげでいつのまにか鮮度がUPしておりました。東北旅ばかりではイカンです…か?

 

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秋の北信旅☆野沢温泉

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5回目の宿泊となる、野沢温泉村。今さら知ったのですが、村の名称に『温泉』が付くのは野沢だけらしいですね。前回利用した宿はリニューアル後の料金爆上がりに気づいてパス、前々回に泊まった宿はとてもいい宿なのですがご主人の圧がやや強い(松岡修造ばりに暑苦しい)のでパス、その前に泊まった『いけしょう』もお気に入り宿なのですが、今回はより『真湯』に近い宿をということで、また新たにお初の宿を選びました。ちなみに一番最初に泊まった野沢温泉の宿は、初の東北旅の帰り道に観光案内所で紹介してもらいましたが、どこだったのかまったく思い出せません。(遅い時刻からの飛び込み一人客なのに部屋食だなんて申しわけないな)と恐縮していた記憶だけが。

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お宿で荷を解いたらダッシュで素っ裸になって浴衣を身に纏い、徒歩1分の『真湯』にいそいそと向かいます。9年前の夏に外湯全13湯巡りをやってみたのですが、一番印象深かったのがこの『真湯』。以来、野沢温泉の外湯といえばココって感じで訪れています。野沢温泉は総じて激熱なので真夏の外湯13湯巡りはフラフラになりましたが、今回はやや肌寒いくらいの気温が湯上りの心地よさを後押ししてくれそうです。そして、今夏の東北旅で感動した白布温泉の透き通った湯に白く輝く湯の花とは真逆の、黒い湯の花が薄緑色の湯に舞う(ここも掻き混ぜないと気づかない)のが印象的なのもこの『真湯』です。

そんな『真湯』を出て次に向かったのが、13湯イッキ巡りをした際には改装工事中で入れなかった『熊の手洗湯(くまのてあらゆ)』。どうやらここは外湯唯一のぬる湯もあるということで、猫舌ボディの私としては大いに期待して訪れました。

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いいわぁ~。ここはいい!熱湯じゃないです。誰もがフツーに湯に浸かれます。今日は早起きだったし、北信まで走り続けてきたし、熱い『真湯』は気合いを入れての入浴だったけど、ここの湯はじんわりと身体に沁みてきます。これで正真正銘の野沢外湯13湯コンプリートです。

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日本人より外国人のほうが目立つ温泉街をブラブラとしながら、せっかくなので少し離れた『大湯』にも行っとくことにしました。

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『熊の手洗湯』同様、『大湯』にもぬる湯はあるのですが、ここのぬる湯は、例えるならば「ペヤングの極激辛と激辛MAX ENDの差」程度の違い。どちらもフツーに熱湯なのです。湯屋が大きくて風情もあるし、たぶん最も有名な外湯には違いないのですが、『真湯』エリアとは少し離れているし、もうここはいいかなって感じです。

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などと偉そうに書いていますが、もちろん野沢温泉の外湯がどれも地元のみなさんのご厚意で私たちにも解放してもらっていること、肝に銘じております。今回も訪れたのは平日だったこともあって出会うのは地元の方ばかりでしたが、「こんにちは」「こんばんは」と、こちらからきちんと挨拶させていただきました。蔵王温泉の外湯もそうですが、昔は24時間使えた外湯も今は深夜になると施錠されてしまいます。「余所者は入浴禁止!!」なんてことにならぬよう、感謝の気持ちを忘れずに。そして入り口に置かれた賽銭箱のこともお忘れなくデス。

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夕暮れの麻釜(おがま)まで散歩してから、いったん宿へと戻ります。夕食の時間です。

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このお宿のウリは【自然菜食】。夕食も朝食も肉や魚が一切出ないのです。食べるまでは半信半疑&興味津々でしたが、これが実においしくて。豪華で激ウマな宿メシもアリですが、肉と天ぷらと刺身の定番ありがち料理を食べるくらいなら、ここの料理のほうがワクワク感があって楽しいです。食後はけっこう腹パンでしたが、これが不思議と胃もたれしないですし。

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夕食を済ませて部屋に戻ったら、お宿から徒歩30秒のところにある酒屋さんで購入したサッポロビールをプシュッと開けまして、これをグビグビッと呑み干したら「もうちょっと行っときますかぁ〜」と、またまた夜の外湯巡りにでかけるわけで。

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『上寺湯』も、熱いけど良い湯です。ここの源泉は麻釜らしいのですが、『真湯』と『熊の手洗湯』をブレンドしたみたいな泉質(成分表で比較したわけではない)でした。『いけしょう』さんからも近いんです、ここ。

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夜はひっそりとした佇まいの『熊の手洗湯』ですが、宿の女将さん曰く「週末には順番待ちの行列ができることもある」そうです。興醒めですな、それは。

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宿から一番近い『上寺湯』と、その先にある『熊の手洗湯』を交互に。地元の方がいても、特に夜間はしばらく待てば貸切りタイムが訪れるので、特にぬる湯の『熊の手洗湯』は存分に満喫しました。そしてお宿の前を通り過ぎつつ、最後はやっぱり『真湯』へと向かいましょう。

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午後10時。『真湯』を出る頃には大粒の雨が降り始めましたが、宿の駐車スペースは軒下なのでWが雨に濡れることもなく。ありがたいことです。そして、深夜に目を醒ましたら窓の外にはオリオン座がクッキリ。満天の星空でした。

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翌朝も、飽きることなく6時から開く『真湯』へ。心置きなく朝風呂に浸かってきました。どうやら次回も『真湯』『熊の手洗湯』『上寺湯』の3湯を目的に訪れそうです。

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秋の北信旅☆志賀高原

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ある日の午後。ふと、(今ならまだ…行ける??ちょっと行っとく!?)と。なぜだか無性に奥志賀林道を走りたくなりました。天気予報をもう一度確認してから、野沢温泉の宿を予約。翌朝は5時出発、路肩の気温表示9℃を横目で睨みながら中山道・国道19号をひた走ります。

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混雑する松本市街地をトラバースするいつもの道沿いにある道の駅で、前から気になっていたとろろゴハンと豚汁を。志賀高原に入ったらメシも食わずに走りまわるでしょうから、ここで朝昼兼用メシです。主役のとろろよりも脇役の豚汁のほうがおいしかったかな。

ここから安曇野に抜けて、国道403号で麻績~千曲~小布施と走り続け、中野市内でガソリン補給をしたら、いよいよ志賀草津道路へ。ここ数年は夏の信州旅の頻度がめっきりと減ったので、見慣れた景色なのに新鮮な気持ちで走ることができました。振り返ってみると、スキーで訪れた冬景色を除けば真夏の北信州しか知らなかった人間なので、今年も駆け足で終わりそうなこの秋を志賀高原で満喫したいゾと。

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ループ橋をクルクルしながら、おひさな志賀草津道路を駆け上がります。

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紅葉はまだ少し早い…というか、紅葉する前に黒ずんで丸まってしまっている葉が目立ちます。季節外れの桜が咲いている地方もあるみたいですし、これもまた今年の極端な天候のせいでしょうか。

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渋峠の向こう、群馬県側まで走るつもりでしたが、どうみても雲に覆われています。ビーナスラインや磐梯吾妻スカイラインが常に晴れ神様降臨だとすると、時間帯もあるのでしょうが志賀草津道路はいつも雨神様がお出ましになりがちです。先に進むことはあっさり諦めて、スコーンと快晴ビューをもらった横手山ドライブインで満足して折り返しました。今旅のメインイベントは奥志賀林道なので。

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いつもこの、秋山郷へと向かう分岐でテンションがググッと上がります。1~2時間もの間ひたすらクネクネしっ放しとなるので、深呼吸をして、シートに座り直して、気合いを入れて。そして、(どうか熊が出ませんように)とお祈りをして。人生唯一の熊遭遇体験が、ここ奥志賀林道なのです。

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そしてこの標識を潜れば、「さぁ~、いっときますかっ!!」って感じでテンションはますます上がります。

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秋山郷と野沢温泉の分岐。カヤノ平や秋山郷でのキャンプをしなくなって久しいので懐かしさがこみあげてきて、ここでウロウロと意味もなく歩き回ってしまいました。

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けっこう奥まで走り続けてきましたが、この分岐から野沢温泉まではさらに43kmの表示。信州。南端の遠山郷エリアから北端の秋山郷エリアまで、東北同様にとても広くてとても深いのです。

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ライディングハイになってペースが上がるたびに「イカンイカン!動物が飛び出してきたら死ぬ!」とアクセルを戻す、その繰り返し。カーブの向こう側にどうか熊がいませんように…と走り続けて、ようやく千曲川と野沢温泉の町並みを見下ろすサンセットポイント・中ノ平高原に到着しました。絶景です。

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時刻は午後3時過ぎ。本日の走行は350km。あとは野沢温泉まで駆け下りるだけです。途中、スキー場の中を抜けていくのですが、今まさにシーズン直前の準備に忙しそうなスタッフの姿があちらこちらに。ようやく涼しくなったと思っているうちに、きっといきなり冬到来ですもんね。お宿で聞きましたが、最近はスキー場開きの日程がよく狂うそうです。降雪の時期や降雪量が昔と違って予測不能だからだとか。スキーと温泉でインバウンド客も大勢訪れる野沢温泉ですが、今宵はそんなハイシーズン前の静けさを堪能させていただきましょう。

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アンダー・ザ・ドーム

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「さすがに今回はゴミや輩以外は投票に行くでしょ!」と思っていた昨日の衆院選投票率は、思わず「ふざけんな」と言いたくなる53.81%。ちなみに、愛知県内の投票率一覧を見ると「県外の知人友人から引っ越し先を相談されたら絶対にここは選んじゃダメだよと助言する地域」と、40%台の低投票率選挙区は見事に一致します。面白いのでぜひ新聞等で確認してみてください。古くからの愛知県民なら「あぁ~、たしかに納得!!」だと思います。

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さてさて。

東北旅を挟み、映画館にも足を運び、天気の良い日にはツーリングにも出かけつつ、丁寧に読み進めてようやく完読。なにしろ、ボリュームのある全4巻。『11/22/63』でも3巻でしたから、この読み応えっぷりは、昔読んだ『IT』以来となる久しぶりのキング長編でした。

そもそも、スティーヴン・キング読者に復帰しようと思ったきっかけがこの小説。ふと立ち寄った図書館で、いつも書店に行くと無意識にやっているようにスティーヴン・キング小説の存在を確かめる儀式をしていたところ、そこに置かれていたのが『アンダー・ザ・ドーム』の単行本でした。(へぇ~、これまたなかなかのボリュームだこと)となにげなく手に取り、そのまま窓際の椅子に移動して最初のページを開いて読み始めたらもう止まんなくて。久しぶりのキング中毒症状を懐かしく思い出しつつも(いかんいかん)と元の棚に戻し、(これは自宅で、そして文庫本で読み耽りたいゾ)と購入することを決めました。そこで書店巡りをしたら奇しくも今年がキングの作家デビュー50周年だということを知り、たちまち古いファン魂に火がついて…。

孤島や山奥の集落などの孤立した場所で、外部から遮断されたコミュニティが分断されて住民たちが狂っていくという設定のストーリーはよく見られますが、キングはその環境を謎の巨大ドームでもってありふれた田舎町に強引に設定します。でも、この謎のドームとの戦いが描かれるわけではなく、映画『シビルウォー』ふうに言えば、「おまえはどういう種類の住民だ!?」がメインテーマです。登場人物もやたらと多い物語で、巻頭の《主な登場人物》だけでも4ページにわたります。何度も(これ、誰だっけ?)とページを行ったり来たりしながらふと考えました。(電子書籍リーダーで読むとこの動作はどうなるんだろう?)と。再びキングの文庫24冊ほどが本棚の空きスペースを占拠しましたが、あれほどドナドナを繰り返して本棚をスッキリさせても、やっぱり書物は紙の本、それもできればコンパクトな文庫本をコーヒー片手に読みたいという昭和人の風習からは逃れられず。今回のキング祭りこそまさに電子書籍を試す絶好の機会だったのですが、どうやら私には縁がないみたいです。

「アクセルをフロアまで踏みっぱなしにする長編を書くのが私の願いだった」と筆者あとがきにもあるように、まさに圧巻の筆力。最後までキングワールドで突き進み、飽きさせることなく楽しませてくれました。もちろんキングの小説ですから、「お願いだからコイツは八つ裂きにしてくれぇ~」と心の中でキングに懇願したくなるクソみたいなヤツらも、いつもにも増してワラワラと登場します。死人も大勢出ます。血まみれ汗まみれ涎まみれです。これこそがキングワールドですから。

アメリカではTVドラマ化されたそうですが、この世界観がどこまで再現できているのか、観てみたいような観たくないような…。

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お手軽な愛知県最奥地ツー

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夏日を記録した日数が150日を越えたとか。一年の半分は夏確定ということです。3シーズン用と言われてメーカー的にも一番の売れ筋だったはずの春秋モノジャケットが、「持っていても持っていなくてもどっちでもいいモノ」になってきましたね。

豊根村のようなホントの(?)奥地とは違ってお手軽な、岐阜の多治見市と愛知の春日井市を跨ぐ県境エリア。どちらから近づいても低い山々に閉ざされている(でも、こんな僻地に人が住んでるの!?と驚いたりする)のですが、初夏にお邪魔した『愛岐トンネル群』のすぐ近くにも気になる場所が何か所かあったので、午後からブラリと探検モードででかけてみました。

山の中で、通過するJR中央線の列車を頭上に眺めながら、春日井最奥地の集落を抜けていきます。やがて(この道はどこに…)という景色が現れましたのでいそいそと行っとくと、ありがちな「いつのまにかダート」でも「散々走ってきて行き止まりかよ!」でもなく、やや荒れた舗装道路のまま、もしもベンチに誰かいたらビックリするんだけど…という場所(水落観音と呼ばれる場所らしい)を横目に名古屋市が運営する愛岐処分場まで到達しました。で、この処分場の外周を巻くようにして下ってみると、多治見市諏訪町のいつもの山道。いざ合流した分岐は、「そっかぁ~、ここと繋がってたのかぁ~」と、これまたずっと気になっていた場所でした。帰宅後に調べてみたら『玉野御嶽神社』には猫がいるらしいので、こちらにも次回、立ち寄ってみようと思います。

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Wも私もラストスパート

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W800のオドメーターがようやく95,000kmに到達しましたので、オイル交換とプラグ交換を実施しました。オイルは、相変わらず名西カワサキのてんちょうさんのところでアッシュオイルを。プラグは、前回の交換時にようやくその存在に気づいたMotoDXプラグを。ずいぶん前から発売されていたのに全然知りませんでしたので、W最後(あくまでも予定です)に交換・装着するプラグとしてチョイスしてみました。

W650時代からずっとイリジウムプラグを使っている理由については、ここでも何度か書いているので割愛しますが、このMotoDXプラグは二輪専用を謳って寿命が2倍というところに惹かれました(宣伝文句にある性能アップとかは期待していません)。このプラグとアッシュオイルでもって、いよいよ初の10万kmオーバーを目指すことになります。

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一方で、乗り手のほうはと言うとやっぱり徐々に不具合が出てきます。退職する一年前くらいに気づいたのですが、ときどきエンジン(心臓)が不等爆発します。古いハーレーの愛好家なら「とうとうオレも愛車と同じ乱れ三拍子になったゼ!」と喜ぶのかもしれませんが、(脈拍ってこんなに飛んだり速くなったりバラつくんだっけ?)と。それが二か月ほど前に頻発し出して、ツーリング中にも感じるようになりました。「これはヤバいな」と名西カワサキへ…駆け込んでも残念ながらこればっかりはてんちょうさんにも修理してもらえないので、渋々病院へ。以前から、人間ドックではなんちゃら細動とかほにゃららブロックという指摘は受けていたので、久しぶりに24時間心電図を身体に装着し、心エコー検査も受けました。診断結果は心房細動。院長がGOアプリの竹野内豊ばりに「クスリ、どうする?」と尋ねるので「治るなら飲みますけど」と。「選択肢は薬かカテーテル。薬は不整脈の発生を抑える目的で一生飲み続けるもの。糖尿病とか高血圧の持病がないならどちらも今すぐどうしてもとは言わないけど。」ということだったので、「では今はまだ要りません」ということにしました。

少なくとも50代で人生を満喫したいと思って早めに退職したのは、ホント、こういうことなんですよねぇ~。退職してさぁ~これからという60歳前半で突然亡くなる先輩もいたし、人生100年とか言われても、心身ともにまともに機能する年齢は違うから。そういう意味でも、ストレスにまみれた挙句の65歳定年って罪だと思います。

現時点ではほぼおさまっている(院長曰く、自律神経の乱れる季節気候がヤバいらしい)ので、今後、アイドリング(心臓の鼓動)がいよいよ日常的にバラつき始めたら、そのときはスーパーゾイル(薬)を飲むか、それとも修理工場入り(入院手術)するのか、改めて考えたいと思っていますが、もしも私が峠道でカーブの外に飛び出して死んだと聞いても、「あぁ~、あいつもとうとう最後の最後にやらかしやがったな」とは思わずに「もしかしたら心臓が突然停まっちゃったのかもしれないな」と、ちょっとだけ贔屓目に見ていただけたら幸いです。

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ウェアの話も少しだけ。一年を通して、快適に革ジャケットを着ることのできる時期というのは実はほとんど限られていて、春先と秋口のほんの一瞬。うかうかしていると、すぐにメッシュのシーズンがやってくるし、ふと気がつけばウインタージャケットの季節到来ですから、正直、革ジャケットなんて買うんじゃなかったと思ったこともありました。

でも、今は違います。うかうかしていたのは仕事のせい。フリーな週末と好天の恵みを期待しているうちにあっという間に季節が移り変わっていただけで、いつも仕事中に空を見上げて(今日は絶好のツーリング日和なのに…)と溜息をついていたその『今日』が、今では毎日自由に使えるという幸せ。おかげさまで、猛暑の夏に無理をして走らなくともツーリングに最適な【革ジャケットが快適な春と秋の数週間】を思いっきり満喫していますから、「そう、コレ!コレ!コレ!」って感じです。革ジャケットを着た回数=ツーリング日和に走った回数です。Wのプラグ交換を終えたら、今度はそんな20年モノのコンプリートジャケットに感謝の気持ちを込めて、丁寧にラナパーしてあげましたとさ。

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上喜元 雄町50 純米吟醸

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青森から連れて帰ってきた山形の酒『上喜元 雄町50 純米吟醸』。上喜元の銘柄自体、呑むのは久しぶりでしたが、酒米が雄町でしかも精米比率が50%という、贅沢な大吟醸といってもいいほどの一本。呑むとまず広がる酸味がキツいものではなくとても軽やか&かなり爽やかです。しかも、喉を通過しながら雄町のふくよかな余韻も連れて来るという…。こっ、これはおいしいゾ。

ちなみに『上喜元』の酒蔵は、東北旅初日に訪れた山形県酒田市にあります。山形の酒という認識は持っていましたが、酒田のお酒だとは今まで知らずに呑んでいました。ごめんなさいです。

幸せメーター ■■■■■■■■

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プライベート・ライアン

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【午前十時の映画祭14】にて。上映予定が発表されたときから、今年の【映画祭】にはあまりそそられないなと思っていましたが、それでも『マッドマックス』と『プライベート・ライアン』だけは、映画館に足を運ぼうと決めていました。

『マッドマックス』同様に、『プライベート・ライアン』も自宅にDVDもありますから、けっこうな頻度で繰り返し観ていますが、特にこの『プライベート・ライアン』は「映画館の設備で観てこそ」なので、楽しみにしていました。新鮮味は皆無の3時間なのですが、中弛みや捨てシーンがないのでまったく苦になりません。あっという間にあのエンディングでした。

そんな『プライベート・ライアン』は1998年公開。ミラー大尉が部下たちに「昔は教師だった。人相が変わってしまって今では妻もわからないかもしれない」と告白するシーンがあります。「この任務を遂げたら帰還したときにひとつだけ妻に誇れる」と語りますが、あのアパムもついには人相が変わってしまうのでしょう。精神を病んだ帰還兵が登場する作品も数多くありますが、オマハビーチ上陸シーンでは観る者をも戦闘の真っただ中に放り込んでくるので、(これで病まないほうがどうかしている)と冒頭から問答無用で疑似体験させられます。そういう意味では『ブラックホーク・ダウン』(2001年)とともに素晴らしい反戦映画だと思いますが、スクリーンいっぱいに肉片が飛び散り、炸裂音や戦車の振動が座席にビリビリと伝わってくる、リアルという名の残酷な映像や音響が堪能できるという意味でも(そして、トム・ハンクスならではの目の演技に痺れるためにも)、これは「映画館で観てこそ」の作品です。そして、ミラー大尉の震える手が止まるとき。「無駄にするな、しっかり生きろ」と語りかけたあの瞬間、あなたはどう感じましたか?と語り合いたくなる、そんな素晴らしい映画です。

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夜明けの開田ツー

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夜明けの風景が撮りたくて、ビーナスラインや濁河温泉方面へと深夜出発で出かけていましたが、それは真夏の蒸し暑い夜の話です。まさか寒がりな私が10月に開田高原で夜明けを迎える気になるとは、それだけいつまでも夏日が続いたせいで勘違いしたってことで。

午前2時過ぎに自宅出発で、ひたすら国道19号。

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で、素直に国道361号で開田高原を目指しますが、新地蔵トンネルの気温計は13℃。革ジャンでは寒い!夜明けまで待たなきゃいけないのに、このカッコウでは寒すぎる!!唯一ありがたいのは、真夏よりも日の出時刻が遅いから、そんなに焦らなくてもいいってこと。

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久しぶりに『木曽馬の里』から夜明けに浮かび上がる雄大な御嶽山を…と思ったのですが、東の空は白々と明けてきて朝焼けが見られるのに、いざ到着すると、御嶽山方面は霧で真っ白。午前5時に到着した『木曽馬の里』で、寒さに震えつつ足踏みしながらしばらく待ちましたが、霧が晴れる気配もないまま明るくなってしまったので、諦めて開田高原を走り回ることに。

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久しく通行止めが続いていた九蔵峠も、ようやく通行できるようになっていました。

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開田高原キャンプ場から奥に進んで、ちょっと標高を上げてみることに。すると、さっきまで霧に包まれてシールドもベタベタだったのに、朝日が射してきます。(これは…もしかしたら雲海のチャンスなのでは?)と、慌てて『開田高原マイアスキー場』まで一気に駆け上がります。

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おぉ~!!雲の上に出た!!先ほどまで寒さに震えていましたが、太陽は暖かいし、眼下に広がる雲海にテンションも上がります。

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御嶽山もクッキリ見えます。これは『御岳ロープウェイ』にも行っとくべきぢゃない!?

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麓の開田高原まで駆け下りて、今度は御岳ロープウェイ。マイアよりもさらに標高が上がるので、雲海の広がりが素晴らしい。美ヶ原のように眼下にドドォーンというわけにはいきませんが、なかなか美しい眺めでした。10月の早朝に単車で極寒の御岳ロープウェイとは、ギリギリセーフと言うべきか、やっぱ異常気象だわと呟くべきか、とにかく昔だったら絶対に実行していないツーリングプランです。

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六合目の中の湯まで上がって景色を楽しんでから、もう一度開田高原へ。

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いつもの撮影スポットも…。

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まだ誰もいない『木曽馬の里』もようやく快晴に恵まれ、御嶽山がクッキリ。まだツクツクボウシが鳴いてますし、これは夏の風景なのか、それとも秋の風景なのか、眺めながら「う~~ん…」と考え込みました。

まだ午前8時ですが、開田高原を3時間もウロウロして大満足だったので、ここからもう帰路につきました。今回は、場所を変え、標高を変え、同じ開田高原にいながらにしてさまざまな距離感で御嶽山を眺めることができ、丑三つ時に出発した甲斐がありました。

そして、帰りの19号の眠いこと、眠いこと。夜明けのビーナスからの帰り道の、あの感覚を久しぶりに思い出しました。

「なんで例のカフェイン錠剤を持ってこないの、オレは!?」と反省しつつ、大桑の道の駅で、冷えた身体にありがたいホットの缶コーヒーを。眠い!!

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室井慎次 敗れざる者

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フジテレビ 秋田のきれいな風景映像 誰もいない田舎のあばら家 寡黙な男 こどもたち…とくれば、アレですか?『北の国から』的な??キタキツネの代わりが秋田犬??わざわざ二部作としたのも「あわよくば」が透けて見えてくるのですが、『踊る』ってそもそもそういうドラマでしたっけ。導入部で明らかとなる地中深く埋められていたアレって、自宅のすぐ前に運んできて穴を掘って埋めている作業にまったく気づかないというあり得ない設定にすることで、実は認知症を患ってしまった室井さんを暗に描写したのかと心配してしまいましたよ。次作は…観ないだろうなぁ~。

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選挙と郡上八幡やきそばツー

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若い人たちにこそ、ぜひとも行ってほしい衆議院選挙の期日前投票。私は本日行っときました。あのわざとらしい、古き良き時代の名古屋弁を駆使する河村さんをついつい応援したくなるネイティブ名古屋人は多いと思います。

国政選挙も全有権者に2票ずつ与えてみたら盛り上がると思うのです。ふるさと納税制度をマネて地元選挙区にプラスしてもう一か所、日本全国の選挙区から自分自身で選んで一票を投じるという仕組み。そうすれば、地元の同情票で当選してくる悪名高きゴミ候補にも全国民の評価を反映させることができるような気がするのですが。先日の中日新聞朝刊が良いことを書いていました。「ゴミ候補しかいないからといって棄権すると、最低最悪のゴミ候補が当選してしまう可能性がある。しかし、それよりはまだマシだと思える候補にみんなが投票すれば、少なくとも最低最悪なゴミ候補の当選を阻止することはできる。投票に行って一票を行使する価値はちゃんとある」と。左翼新聞も、たまにはまともなことを書きます。

ところで、福岡4区の有権者のみなさんに遠く愛知県から呼びかけますが、無所属で戦う吉松源昭さんをどうか応援してあげてくださいね。

 

さて本題に。

焼きそばツーリング。天気予報では午後からの降水確率がググっと上がるとのことでしたので、とっとと行って、とっとと帰ってくるという往復200kmのバーツー。私は少し前にも食べに行っていたのですが、いざ行けば臨時休業かい!とかが続いてずいぶん食べそびれていたデッシーも誘い、飛騨金山から堀越峠を目がけてサクサクッと走っときました。

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午前11時開店ですが、その15分ほど前には到着して一番乗り。途中、明宝フランクフルトで小腹を満たすつもりが売り切れゴメンを喰らっていたので、もう腹ペコです。店の前に置かれた丸椅子に腰かけて、今か今かと11時になるのを待ちます。

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週末だけでしょうか、バイトの子が入っていましたが、先代ご夫婦のように厨房を二人がかりというわけではないため、相変わらず注文してからの待ち時間はやや長めとなりますので、ここは気長にノンビリと。待っている間にも鉄板で焼かれたソースの香りが漂ってきて、もう堪りません。

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「大盛り」で頼みましたが、量的にはもうそろそろ、前回試しに食べてみた「盛り」で充分みたい。胃がパンパンです。食後のデッシーも「本日もアゴが思いっきり疲れたッス!!」とグッタリしていました。でも、ふたりとも焼そばウマしで大満足です。ごちそうさまでした。

食べている間は観光客も現れず、自分たちの後から常連のおじさんが3名ほどカウンター席に座っただけ。ときどき電話注文を受け取りに地元の人がやってくる程度だったので、(これはいつもよりも静かな出だしだな)と思っていたのですが、私たちが食べ終えて店を出た瞬間、自転車に乗った小学生が3人と、歩いてやってきた観光客が4人ほど、同時にゾロゾロと店内へ。すれ違いセーフでの大繁盛。危うく注文待ちの大渋滞に巻き込まれるところでした。

国道156号へと向かう帰り道。もうひとつの『いつもの店』の前をゆっくりと通過して、表の貼り紙を横目でチラッと確認します。「まだだな…」「まだッスね」。【自然薯蕎麦、始めました】の確認でした。来月末くらいかな?

帰り道。国道を走りながら木曽川を渡ったあたりで、隣りの車線を走行する単車に目を奪われました、(なんだ?アレは)と。帰宅してから調べてみたら、ヤマハのXSR125でした。ホンダの125ccシリーズも面白いけど、XSRもなかなかいいデザインですね。50万円オーバーの価格を見てビビりましたけど。

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シビル・ウォー

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公開初日に観てきました。結論、この映画は「戦場カメラマンたちのえげつない日常を紹介するロードムービー」です。描かれているのはWARではなく、旅の途中の町や村で遭遇する銃撃戦。なぜ2州が合衆国政府に反旗を翻すことになったのか、どのようなきっかけで内戦へと突入するに至ったのか、政府軍と反政府軍それぞれの規模と勢力はどのようなものなのか、一切語られることなく終わる作品ですので、予告編に騙されて『アメリカ人同士が戦うことになる理由や、第二次南北戦争のような内戦の勃発から結末までを描いた戦争映画』を期待して映画館に足を運んでしまうと、間違いなくガッカリすると思います。各シーンに挿入される音楽も確信犯的にチグハグで、観ていてイライラします。実際、エンドロールが流れ始めた瞬間、ほぼ満席に近かった館内にはなんともビミョーな空気が流れて、とっとと席を立つ人の姿が目立ちました。それでも興行収入的には好調らしいので、洋画不作で苦しむ国内の映画館としてはラッキーですね。個人的には『エイリアン ロムルス』のケイリー・スピーニーが出演していたので、(やっぱ、角度によっては能年玲奈に似てるわ)となんとか楽しく観ることができましたが、そもそもな話、もしもこの映画のタイトルを『内戦』ではなく『戦場のカメラマンたち』とかにしてくれていたら、観る側にももっと親切だったのではないかと思います。

20年前ならともかく、合衆国議会議事堂をアメリカ人が襲撃するという驚愕の事件が3年前に現実に起きていることを思うと、安っぽい日本のTVドラマのように「なんて荒唐無稽なストーリーだ」と笑うわけにもいかず。映画のラストには、戦場カメラマンを演じるケイリーが撮った一枚の写真が大写しに。引きずり出されて殺されたあの男と、その遺体の周囲で銃を構えて笑顔でカメラを見つめる反乱軍のアメリカ人たち。アメリカの観客があの映像を観てどう感じたのか、そちらのほうが気になります。反乱の中核をテキサス州とカリフォルニア州に設定したのは、二大政党の支持者同士がその主義主張の違いから起こした内戦ではないということを暗示しているのでしょう。それでもまもなく行われる大統領選挙の結果次第では、この映画の存在が【警鐘】ではなく【扇動】となってしまいそうな気がします。「おまえはどの種類のアメリカ人だ!」が、MAGAのサブ・スローガンにならなければいいのですが…。

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東北旅◆喜多方で旅の終わり

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[山形県・福島県]

お宿の御隠居が嘆いていましたよ。「スカイバレーが無料化されたら、早朝からバイクが走り回るようになって事故も増えた。困ったことです」と。確かにね、とってもうるさかったです。

そんな白布峠を越えて七曲りをクネクネと下ったら、県道64号線で喜多方へと向かいます。すんなり帰路につこうかと思ったのですが、喜多方通過がちょうど昼どきになるし、せっかくなので、最近ご無沙汰の『坂内食堂』に寄って行こうと考えまして。

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その前にちょっと寄り道して、道の駅でジェラートを。カフェオレと抹茶の組み合わせにしたのですが、このカフェオレ、相当ウマしでした。暑すぎるので、すぐに溶け始めて慌てましたけど。少しでも福島を味わってから帰ります。

 

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結局、『うえんで』に飛び込みました。順番を少し待ちましたけどおいしくいただきました。『うえんで』は、これで本店、山鹿店、そして本日の喜多方店と、全店舗制覇です。「なんで喜多方でわざわざ会津山塩ラーメン店!?」と言われそうですが、とんでもなかったんですよ、『坂内食堂』の行列ったら。南側の神社くらいまでの行列なら頑張って並んだこともありますが、今日はそこからさらに西側の住宅街に折れ曲がって列が伸びていたし、表通りに新しく設けられた広い駐車場も満車でクルマも停められず。だから、すんなりと諦めました。『うえんで』でおいしく食べ終えたあとに『坂内食堂』の前をもう一度通ってみましたが、そこらじゅうが冠水し始め、雨雲レーダーも真っ赤な強烈な土砂降りの中、相変わらずの長蛇の列でした。せっかく並んだら、特に初めての人なら諦めきれないですよね。お店の人が傘を配っていました。優しいね。ともあれ、とっとと『うえんで』に行っといて正解でした。

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喜多方市内から郊外へと抜けました。磐梯山はきれいに見えているのに、喜多方市にだけ、ものすごいスコールの影が空から降りているのが見えます。おかしな天候です。

あとはもう、ひたすら愛知県を目指すだけ。今回の旅は東北6県すべてを巡るも福島だけお泊りナシでしたが、最終日に少しだけ堪能できました。なんだかんだで、福島旅の回数が最も多いと思うので、これはこれでよかったのかなと思いつつも、それでもやっぱり(う~~ん…去りがたし、福島!!)という気持ちをズルズルと引き摺ったまま、会津坂下インターで磐越自動車道にイン!…でした。

 

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今回の旅、走行距離は延べ2,500km。いつも長距離を走ると眠気との戦いですが、今回はドーピングしてみました。麻薬ならぬ、魔薬。カフェインの錠剤です。こんな薬を薬局で買えるなんて知らなくて、今回初めて使ったんですけど、実はメジャーなんですかね?半信半疑で初日の600kmひた走りから服用してみましたが、確かに1時間ほど経つと眠気が飛びます。説明書には「大脳皮質の感覚中枢を興奮させ精神機能を活発にする」と書かれていますが、だっ、大脳皮質って、ちょっと怖い。「満腹中枢」を刺激してぇ~…とかならよく耳にしますが、「大脳皮質の感覚中枢」って、イジってもいいものなのでしょうか??

実際に使ってみた感想としては、『ノンストップで走り続けるため、眠気覚ましにコーヒーを飲む』というやりがちな方法だと結局はコーヒーの水分と利尿作用でトイレ休憩を強いられて走り続けられないけど、このカフェイン錠剤なら水分を控えていればホントに走り続けるゾと。まさに魔薬でした。次回の旅にも、ぜひ持っていこうと思います。私に翼を授けるのはエナジードリンクではなくカフェインの錠剤、というお話でした。

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土産もアレコレ。酒は『豊盃』と『上喜元』の2本だけ。『田酒』を手に入れることができなくて残念でした。

街ブラと、【東北・一度は行っておきたい】シリーズのコラボ旅。酒田市・秋田市・青森市・盛岡市、龍飛崎・不老不死温泉・白神山地・山寺。そのすべてが無事達成できたので大満足です。愛知県もふたつの半島を持ち、県の南側は全てが海に面していますが、男鹿や津軽で見られるような絶景は、どこを探しても見当たりません。今回、秋田や青森の日本海をきちんと訪れてみて良かったです。

冬旅で福島ザンマイしましたし、今年の東北は今回の秋旅にて終了。また来年も【行くぜ、東北。】です。大好きなので。

 

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東北旅◆ランドマークと名湯

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[山形県]

過去にも何度か触れていますが、山形蔵王の麓、国道13号線沿いにある思い出の野営地(自動車販売店の洗車機の中)の横を通過するたびに、懐かしさがこみ上げます。で、そのすぐ近くにあってとても印象深いのがこの高層マンションでして。たまたま信号待ちで写真に収めることができました。これ、初めて見たときには(なんでいくらでも広い土地が確保できそうな場所でわざわざ高層マンションなの??)と不思議でしかたなくて、で、気になって調べてみたら、「冬の雪かきの重労働から解放される素晴らしさ」とかなんとかで、なるほどそういう事情もあるのねと。以来、旅の途上で国道13号線を走るたびに、遠方からでもよく見えるこのマンションが、私のランドマークとして定着している次第です。

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ちなみに、山寺の参道で寒ざらし蕎麦のお口直しにと食べたずんだ味のソフトクリームも、これまた凶でした(クドイって)。

山寺を離れ、本日のお宿はいよいよデッシーおすすめの白布温泉です。白布といえば、33年前の初東北ツーリングでの最初の宿泊地でして、以前にも書きましたが、宿の軒先に停めてあったSRX600が夜露に濡れないようにと、畳んだ段ボールとかをかけてくれていた仲居さんを翌朝見てとても感動した、私の大切な大切な思い出の宿があるところなのですが、実は2021年の夏ツーリングで、その同じ宿に30年振りの宿泊を実現していたのです。で、(宿の御主人とも当時のことを色々語り合いたい)などと夢見てでかけたにもかかわらず、いざ泊ってみたらあのときの好印象はどこへやら、《思い出は思い出のままに》のフレーズが頭の中でリフレインしてしまいまして。そんなこんなで、あまりにもガッカリしすぎてここではまったく触れずにいたのですが、その当時、愛知県に帰ってから、デッシーには旅話のひとつとして事の顛末を聞かせていた(愚痴っていた)のです。

そしたら去年だったかに、ヤツが「職場の同期と、白布温泉に行ってきました!サイコーだったッス!」と、ドヤ顔で言うわけですよ。なんだって!!あの白布に!?しっ、しかも、サイコーだと????

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そういう経緯で、この旅の最後を飾るにふさわしい(か、どうか半信半疑のまま)宿として、デッシーのオススメ(当然ですが私の思い出の宿とは別の宿です)を選んでみたわけです。白布、三度目の正直となるのか…と、ほんのりほのかに期待して。

ちなみにデッシー曰く、「食事はあまり期待しないでいただきたい。フツーです、フツー!!普通と言ってもイメージ的に上・中・下があると思うんスけど、なんならここはチューです」「でも、ここの温泉は素晴らしいッス。きっと師匠も感動します。マチガイナイ!!」とのことでした。デッシーも、なんだかんだと東北各地の温泉を巡っていますから、あながち間違ったことは言っていないと信じて、33年前の私の記憶の上書きを、是非ここで!!

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いやはやホント、これは参りました。こんなにも大量の湯の花が湯舟に舞う温泉、初体験です。濁り湯ではないので、透明な温泉の底に沈殿している湯の花が、まるで御影石の模様のようにはっきりと見えているのですが、湯を掻き混ぜたとたん、大小さまざまな湯の花が踊る踊る!舞う舞う!

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まるで雪が舞う万華鏡の中に裸で入っているかのような美しさでした。身体にまとわりつく湯の花を愛でながら、ずっと「スゲェー」「うわっ、スゲェ~!!」って叫んでいましたから、昼間の山寺での歩き疲れもすっかり吹き飛んで(凶は忘れないけど)、湯の花に興奮し過ぎた疲れがついには湯あたりのようにどっと襲ってくる始末。

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以前、旅行サイトの口コミ欄でも話題になったじゃないですか。湯の花を見て「掃除してない!」とか「湯が汚かった」とか書きこむバカがいると。「ゴミが浮いていた」って口コミに至っては「ゴミは、湯の花も知らないおまえのほうだ」ってことでずいぶん笑い者になっていましたが、この温泉の湯の花なら、誰も汚れだとは思わないのではないでしょうか。それくらい美しいのです。

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ちなみに食事は、デッシーの言っていたとおり極々普通でした。苦手な鯉が出てきたのがちょっとねぇ~…くらい。

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帰宅後、改めて33年前のアルバムを開いてみました。まだウインドウズ95もなければ、スマホもデジカメも存在しない時代ですから、フィルムで撮った写真の枚数はほんのわずかで、もしかしたら2000年に発生した白布温泉火災以前の、茅葺屋根の原風景が一枚くらい撮れているのではと期待したのですが、片隅にも写っていませんでした。代わりに当時の領収書が挟んであったので開いてみたら、33年前の宿代が14,000円でした。あのときの私は、夕方近くの飛び込み独り客でしたからやや割高だったのかもしれませんが、それにしても今どきの温泉宿の価格と比較しても遜色ない価格なので驚きました。当時ならツーリングで1万円以上の宿に泊まるなどという贅沢は自主規制&絶対禁止でしたから、きっと初めての東北の温泉宿で気持ちが高揚していたのでしょう。白布温泉の思い出ぽろぽろ。上書き完了です。デッシーは近々、同期と秋田県の温泉巡り旅にでかけるらしいので、また新たなオススメ宿の現地調査結果を聞かせてくれることでしょう。

それにしても今回の旅、温泉についてちょっと思うところが。今までも自噴泉とか、源泉かけ流しとか、趣きのある建屋やロケーションとかには拘ってきましたが、今回のように湯そのものが美しいと感じたことは一度もなかったなと。そこで、湯そのものが強く印象に残った温泉ってどこだっけ?と、記憶を辿ってみると、≪長野 白骨温泉・泡の湯 内湯源泉≫、≪長野 田沢温泉・有乳湯≫、≪鹿児島 湯川内温泉・かじか荘≫、≪秋田 玉川温泉・大浴場源泉≫、≪宮城 中山平温泉・琢ひで≫≪青森 蔦温泉≫。あと身体にはちょっとキツいけど≪群馬 万座温泉≫くらい。思い出せるのは、たぶんこの7湯。今回の白布の湯が加わっても8湯ですね。う~~~ん…「いい湯だなっ♪」って、ホントはどういうことを言うのでしょう??

帰宅してから、20年ほど前に読んだ『温泉教授・松田忠徳の新日本百名湯』を本棚から取り出して目を通してみることに。どんな温泉が紹介されていたのかを改めて見直したかったのですが、そんなことよりも、《まえがき》に書かれた言葉に心を奪われてしまいました。ちょっと長いですけど、ここに紹介しておきます。

【湯浴みの原点は湯治 ~こころの湯浴みを楽しむ~】

私の住む札幌市の郊外に「豊平峡温泉」という日帰り温泉施設が一軒宿風に立っている。190万都市には場違いと思えるバラック風の質素な外観である。ところがここの経営者は温泉の生命である湯質にとことんこだわっている。"源泉100%かけ流し"にもかかわらず、内風呂や北海道的スケールの大露天風呂の温度管理が行き届いていて、一時間でも二時間でもゆっくり浸かっていられるのだ。

わたしは豊平峡を大雪山中の秘湯に匹敵する一級の湯質と評価しているのだが、何よりも嬉しいのは入浴客の60%を占める若い男女がこのことを直感的に理解しているらしいことである。サウナもバイブラバスも無く、施設的には公共温泉に比べれば月とスッポン程の差があり、料金も二倍は髙い。ところがここの入浴客はじつに贅沢な風呂の入り方を楽しんでいる。それは頭や体を洗うことよりも心を洗うことを優先させているふしがあるからだ。

わたしたちはなぜ、温泉に行くのか。体を洗うだけなら家庭風呂で十分なはずだ。なのにわたしたちははるばる北海道や九州の温泉に行き、洗い場のシャワーに直行している。いつから日本人はそんなに貧しくなったのだろうか。飛行機代や新幹線代をかけて2、3万円もの宿代を払いながら、家にいる時と同じように頭を洗い体を流している。ふんだんに湯が使えることに喜びを感じているのだろうか。非日常を求めて旅に出たのにわたしたちの頭そのものが日常のままだから、風呂の入り方すら切り替えられないでいる。環境や相手にばかり非日常性を求めている。

「温泉の原点は湯治である」と心ある経営者はいう。湯質や周囲の環境を大事にしたいということだろう。この言葉の意味を今、入浴者こそが考える必要がありそうだ。「温泉の原点は湯治だ」。ならばわたしたちは湯治の流儀を思い出したらいい。湯治場で頭や体を洗い流しているせわしい構図は思い浮かばないはずだ。ゆったり湯に浸かったり、洗い場の床に横になったり、会話を楽しんだり…。そこには日常にはない贅沢な時間が漂っているはずだ。手始めに温泉に行って洗わないことの贅沢さを堪能してほしい。心身を清浄にすることが豊かさにつながることを、わたしたちの祖先は古来知ってきたはずだ。豊平峡のような一級の温泉とやすらぎの雰囲気が、若い人たちにシャワーに向かうことを忘れさせてしまった。

露天風呂にまでシャワーを求めないでほしい。わたしたちの心の貧しさが、余裕の無さが、これまでどれだけの宿をつまらなくしてきたか思い出してほしい。"温泉力"を秘めた本物の温泉は、世代を超えて日本人の温泉DNAのようなものをよみがえらせてくれるはずだ。さあ、"こころの湯浴み"にでかけよう。

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東北旅◆山寺と寒晒し蕎麦

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[山形県]

夜中から、かなりの大雨が降り続いていました。本日は、今旅最後の【東北・一度は行っておきたい】シリーズ、山寺に向かう日です。なので、できれば止んでほしいの、雨。

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このエリアの横移動にいつも使う蔵王エコーラインではなく、国道286号線で峠越えをしてみることにしました。

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笹谷峠。降雨のせいもあってか、なかなかの険しさです。そりぁ、皆、山形自動車道を使うわけですね。霧の中に浮かび上がる、頭上の鉄塔の巨大さにビビリながら峠をクネクネと。晴れた日に単車で走るなら、きっと楽しいんでしょう。ツーリングマップルにも「山形県側は絶景だ!」って書いてあるし。

午前11時、山寺・立石寺に到着しました。観光バスも停まっていて、さすがの賑わいです。まずは駐車場ですが、ズンズンと奥まで進んでいくと、線路の高架をくぐる手前の左手に[根本中堂・山門駐車場]があります。ここが根本中堂の直近でトイレもあるからオススメです(500円)。

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さぁ~て、頑張って歩きますかっ!!

ここ山寺。ずっと私の【東北・一度は行っておきたい】シリーズのリストには載っていたのですが、なにしろ登るべき石段が1070。なかなかブーツなどの単車装備で真夏に登りたくはないという気持ちのほうが勝ってしまって、ついつい避けていたのです。今回は、芭蕉の『閑さや岩にしみ入る蝉の声』の世界観を、身をもって体感したいと思います。

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『おくの細道』で読んだ、東北を旅する芭蕉に随行して甲斐甲斐しく世話し続けたという曾良の像。心なしか芭蕉像よりも立派でした。

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思っていたほどには山奥ではありませんでした。もっと標高が高くて山深い場所なのかとイメージしていましたが、それでも石段をひたすら登るのはキツかった。とにかく蒸し暑いので、私も周囲の人たちもみな汗だくです。

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で、これなんですよ。問題は!!

どぉー思います、これ!?こんなに頑張って登ってくるのだし、よりによって一番上の奥の院で【凶】のおみくじを出さなくてもよくないですか??せめて、麓の中堂あたりで出た【凶】なら、「ヨシ!今から一歩一歩、ここ山寺の石段で心身を清めよう」とか、まだ気持ちの切り替えもできると思うのですが、ヒィーヒィー汗だくの体で開いたおみくじがこれって…。愕然としましたわ。イヤ、ないわぁ~。辛すぎるわぁ~。

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凶のおみくじを手に、初めての山寺参拝の儀、完了いたしました。このあとの道中、煽られ運転のゴミ野郎と遭遇するたびに「いいのか!やっちゃうよ!今日のおいらは凶だぜ!」と悪態をつきまくっておりましたから、「まぁ~まぁ~芭蕉さま」と旅の不幸を慰めていた曾良のような人物が、私のクルマの助手席にも必要だなと感じた次第です…というオチなんですかね、コレ??

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昼メシは、麓の参道にあった蕎麦屋の寒ざらし蕎麦。昔、冬の会津旅で山都に立ち寄って同じく寒ざらし蕎麦なるものを食べた記憶があるのですが、おいしかったかというと???で、ここも同様に???なお味でした。うん、そうね。やっぱ、凶だわ。

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東北旅◆福田パンと秘湯

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[岩手県・宮城県]

翌朝は早めに起きて準備万端、朝からプチウォーキングにでかけます。

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おめあては、あの大谷翔平選手も食べていたという『福田パン』のコッペパン。7時のオープンに合わせて到着したのに、店の前にはもうすでに数名が並んでいます。

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出張のお土産なのか、ものすごい量を注文している男性もいましたし、順番が来たら好みの具材をチョイスして申告すると目の前で作ってくれるというサブウェイのようなシステムですから、店内はずいぶんノンビリとした雰囲気です。タクシーで乗りつけた女性二人組は待ちきれずに列を離れて去っていきました。

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ピーナッツバターと、たまごと、ダブルソーセージ。せっかくだからと欲張って3個も買ってしまいましたが、宿に戻っていざ食べ始めてみると、とにかくデカいし重い!これはヘビーだわぁ~。コンビニで買うコッペパンのイメージなら1個でも充分でした。でも、どれもホントにおいしかった。これは来た甲斐、並んだ甲斐がありました。コッペパンで腹パンです。

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国道4号線で宮城県まで南下したら、どうやらあの高政の蒲鉾が手に入るらしいと聞きつけた『ヨークベニマル』を探します。宮城入り早々の一軒目で見つけました、いつも三陸女川の直営店で買う大好きな高政の笹蒲鉾。今回は、とある事情によりいつもの≪吉次≫ではなく≪石持≫でしたが、これを昼メシ代わりに2本、コッペパンの残りとともに。どちらもまいうーです。

今宵は、いつものお宿。夕食が食べ切れないくらいの量なので、昼メシは軽めでちょうどよいのです。なんなら昼メシ抜きでもいいくらい。

お宿には午後3時に到着。前回訪れたのが2年前。そのときはちょうど旅に出る前にコロナに罹っていて治るのか?行けるか?と悩ましい状況だったのですが、今回、部屋に通されて早々に「コロナ、その後大丈夫でしたか!?」「あれからいらっしゃらないからどうしているかと心配で…」と声をかけていただきまして。当の本人は、あのときそんなことを話していたなんてことをすっかり忘れているものですから、申しわけないくらいキョトンとしてしまいました。そんなにご心配いただいて恐縮至極にございます。コロナの後遺症は大丈夫ですが、今後は、自分が言ったことをすっかり忘れてしまうワタクシのことを心配してもらわねばならぬのかもしれません。そんなあなたに会えるの(と、高倉健似…ではないらしいアキラ料理長)が楽しみで、こうして遠路はるばるやってくるのです。ちょっと調べてみたら、アキラ料理長の料理を堪能するのは、これでもう9回目。我ながら、贅沢だなと思います。

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私的には、ここはまさに完璧なお宿です。残念ながら今回は連泊ではありませんでしたが、前回再建中だった新湯にも浸かれましたし、いつものおいしい料理の数々も堪能しました。またいつか。あんなにも健康を気遣ってもらって申しわけなかったので、次回は「あれまぁ~、ずいぶんとお元気そうで」と笑ってもらえるよう、小太りメタボリックに身体を育ててから行きましょうかね??

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東北旅◆盛岡の八幡宮と街ブラ

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[岩手県]

酒田市、秋田市、青森市と続けてきた東北の街ブラですが、ここ盛岡市は初ブラです。三陸海岸や遠野、八幡平や花巻、平泉と、今まで岩手県内あちらこちらを走り回ってきて、今日やっと、盛岡の街を歩くことができます。

宿泊先で一息ついてから、いざ街に繰り出したのが午後5時近く。『岩手銀行赤レンガ館』(正式名称・重要文化財 岩手銀行 旧本店本館)は閉館時刻が迫っていて入館できませんでしたから、外観だけ拝んでおきました。

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盛岡八幡宮にも参拝しました。火災や風雪被害で幾度も再建されていて、現在の社殿は1997年製だとか。ちょうど私の前には若い女性ふたり組がいましたが、なにやら身振り手振りで自分たちの前の参拝者の様子を観察しているようです。(そっか、二礼二拍手一礼のやり方を覚えようとしてるんだな)と気づき微笑ましくも感じましたが、同時に(どうでもいいのに、そんなこと…)とも。「大切なことはほかにあるよ」と言ってあげたかったのですが、遠く盛岡の地で「キャー!!」と変態扱いされてはかなわないので、黙っておきました。もちろん私は、彼女たちが無事に参拝を済ませた後、深々と一礼し、静かに手を合わせて挨拶と旅の安全祈願を済ませたら、また深々と一礼して参拝を終えたのでした。

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夕日が社殿を照らしています。振り返ってみると、鳥居の先にはオレンジ色に輝く参道がまっすぐ街中に向かって伸びており、とても神々しい風景でした。

さて、盛岡八幡宮を離れたら、街ブラの途中で三陸居酒屋の文字にそそられて、岩手銀行赤レンガ館からもほど近い『きりや』さんというお店へ。

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「とりあえずビール」的に、あまり期待せずに頼んだ「とりあえず、おまかせ刺盛3種!」のこの刺身でしたが、これがもう激ウマで。今旅イチバンだったかもしれません。初日の新潟で食べた寿司と同じくらいにテンションが上がりました。豆腐もおいしかったし、メニューやポスターを見る限り、特に洋野町(種市)産推しらしく。それってどこ?と地図を確認すると、青森との県境近くにある三陸海岸の町でした。こうしてまたまた、【東北・一度は行ってみたい】シリーズが増えちゃうわけですな。

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ここで、久しぶりに『赤武』も呑みました。こんなに溢れんばかりのテンコ盛りも久しく経験していません。おいしかったです。どうもありがとう!!この店はぜひまた行きたいなぁ~。昨夜の青森Toshiko77もだけど、昨日今日と、二夜連続で大当たりでした。

さぁ~、ホロ酔いで盛岡の街ブラを続けましょ。

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結局、盛岡駅のほうには行かなかったのですが、今旅の街ブラで一番楽しかった(最も多くの写真を撮った)のが、ここ盛岡市でした。温故知新な街の雰囲気がまるで会津若松にいるかのようで、カメラ片手にブラブラ歩いていてもかなり楽しい時間が過ごせました。本日のウォーキングは9キロ。今宵もよく歩きましたぜ。

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東北旅◆のっけ丼と玉川温泉

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[青森県・秋田県]

早起きして、徒歩で『青森魚菜センター』まで。のっけ丼がめあてです。北海道ツーリングの勝手丼みたいなやつですね。

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ちょうど開店(開場かな?)時刻の7時に到着しましたが、出張族御一行様がすでにゾロゾロと並んでいたのでその最後尾に。2,000円分のチケットを購入して市場の中を巡るシステムです。観光客向けでしょうし、特にこれと言って新鮮!旨し!という感動はありませんでしたが、まぁ~、これも話のネタですね。外国人観光客なんかは喜びそうです。

さて、二度目の青森市も満喫しましたので離れます。本日は、ここから次の宿泊地である盛岡市内へと向かうのですが、その前にどこか一か所立ち寄りたいと、奥入瀬渓流と玉川温泉を天秤にかけ、あの爽やかさよりもあのヒリヒリ感の記憶が勝りましたので、いざ、玉川へ。

青森中央インターから高速道路をひた走り、鹿角八幡平インター経由で2時間。懐かしの玉川温泉にやってきました。訪れるのはこれで3度目ですが、休日に訪れると渋滞していた下り坂の手前には、新たに有料駐車場が設けられていました。これは正解ですね。奥の散策路一帯にゴザを敷いて勝手気ままな地熱岩盤浴をしている人が大勢いる(ガンが治ると評判になって全国から集まってくる)ので、こうでもしないと宿の駐車場が一日中埋まってしまって日帰り入浴が困難です。

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有名な玉川温泉は、強酸性の温泉です。ヒバの木で建てられた薄暗い大浴場は、初めて立ち入ると思わず「おぉ~~」と声が出るほど趣きがあります。今回も、ヒリヒリMAXの源泉100%湯のみにひたすら浸かり続けて、(えっ!?こんなとこやあんなとこがヒリヒリ??)と我が裸体の傷み具合を実感しました。屋内岩盤浴も体験してみたかったのですが、完全要予約と案内がされていたので断念。

ここ玉川温泉は以前、「廃業の危機にある」と報じられて案じておりましたが、今も賑やかに営業を継続されていて安心しました。日帰り入浴代800円&駐車場代200円で、強酸性の湯をすてきな大浴場で堪能することができます。噂ではあの星野リゾートが触手を伸ばしているという話もありますから、オシャレ&高級な旅館へと生まれ変わる前に、ぜひ、一度おでかけください。

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玉川温泉の湯を満喫したら麓の田沢湖へと下り、昼メシは味噌ラーメン。普段はあんまり選ばないんですけどね、味噌味のラーメン。おろしニンニクのパンチに釣られてしまいました。

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食べ終えたら、あとは秋田県から岩手県に向けて国道46号線を東に走り、ノンビリと盛岡市に向かうだけです。

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東北旅◆青森の港と街ブラ

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[青森県]

2021年に初めて訪れた青森市。港に行けば、家族連れやカップルが夕刻の散歩を楽しむコンパクトな砂浜の『青い海公園』もあったりして、良い雰囲気の街だなという印象でしたので、二度目の青森街ブラ、今回ものんびりと楽しみたいと思います。前回は『三内丸山遺跡』や『ねぶたの家ワ・ラッセ』を見学しましたが、今回は公園から『青森ベイ・プロムナード』までを散歩コースに。まずは市内の銭湯『青森まちなかおんせん』に行ってさっぱりしてから、『地酒のさとう』で東北の酒をお買い上げ。残念ながら『田酒』は手に入りませんでしたが、『豊盃』と『上喜元』を一本ずつ。どちらも久しぶりです。

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ちょうど夕日が射してキラキラと輝く港を『ベイ・プロムナード』の先端で眺めるという、なかなかいいタイミングでした。汐風があまりべたつかず、爽やかです。人がゴチャゴチャしていなくて、気持ちが穏やかになる雰囲気があって、街ブラのイメージとしては≪信州松本の海バージョン≫って感じがします。

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結局、12キロもの距離をウォーキングすることになる青森市の夜ですが、まずは前回、朝ラーのために立ち寄った青森駅の変貌ぶりに驚きました。今春にリニューアルされたばかりとか。オシャレな駅舎とショッピング街の複合施設に生まれ変わっていて、駅前の景色も違って見えます。 観覧無料の『あおもり縄文ステーション じょもじょも』にも立ち寄っておきました。

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さて、ここから問題発生でした。駅前の人出がずいぶん多いなぁ~とは思ったのですが、前回訪れて楽しかった居酒屋『かまくら』までいそいそと出かけてみると、店先にはご主人が疲れた顔で座り込んでいて、開口一番「もうね、予約でいっぱい!」と。えぇっ!?平日の、しかもまだ午後5時なのに??。さて、どうしましょ?と彷徨い始めてみると、どこの店も満員状態。なんなんだ、今日は??

歩き続けて『さんふり横丁』に流れ着きました。青森駅からも遠く離れていて、さすがにここなら大丈夫でしょ!!ということで。それにしても客の姿はないし、どの店も静か過ぎて飛び込みにくい雰囲気だし、駅前の喧騒とは大違い。(これは迷うなぁ~…)ということで、タバコを吸いながら横丁の中を一往復。結局、最初に路地へと入った際にギョロリと睨まれた(?)女将のいるお店に入ってみることにしました。

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まぁ~、よく喋る女将さんだことで。でも、「これは青森田子のニンニクだよ」と出されたにんにく焼きも、やけに丁寧に時間をかけて調理してくれた長いもステーキも、とにかくとってもおいしい!!腹いっぱいで追加を頼めなかったけど、あの十和田バラ焼きもウマいんだろうなぁ~…食べたかったなぁ~…。トボトボとここまで歩いてきた甲斐がありました。ここ一軒で大満足でしたから、ハシゴはせずに宿まで戻り『豊盃』を少しだけ。

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そうそう。貴重な田酒も、ここでナミナミと注がれて気持ちよく酔うことができました。訪れることがあったら、ぜひ、「若い頃の写真が見たい!」とおねだりしてあげてください。まぁ~、きっと言わなくても見せてくるんだと思いますけどね。でもビビリますよ、見比べたら。Toshiko77、どうかいつまでもお元気で!!

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東北旅◆龍飛崎と階段国道

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[青森県]

【東北・一度は行っておきたい】シリーズのなかでも、大トリとなるのが津軽半島エリア・龍飛崎です。『アウトライダー』誌で見た階段国道の魔訶不思議な写真もずっと気になっていて、でも、岩木山や弘前城を訪れたときも「あともう少し北へ…」とはならず、戊辰・会津藩の歴史探訪や恐山、大間のマグロを目指して下北半島へと走ってしまいました。今回は、そんな東北唯一の未踏エリアにいよいよ入ります。

まずは五能線を眺めながら、わさおで有名な『きくや商店』に立ち寄ってイカ焼きをいただきます。海もすぐ目の前です。

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海岸沿いから内陸部へと景色を変えた国道101号線を離れ、いよいよ初めての津軽半島入り。旅の計画段階では津軽鉄道沿いに北上してみようと考えていたのですが、結局、ナビの案内を素直に聞いて屏風山広域農道(通称メロンロード)を走ってみることに。すると、目の前にひたすら直線が続くとっても爽快な道が現れました。緩やかなアップダウンと、忘れた頃にポツンと現れる信号交差点。あとは十三湖までスコーン!とどこまでも続くストレート。これは実に気持ちいい。まるで北海道にいるような気分に浸れました。浸り切って走り切ったら、写真を撮ることをすっかり忘れていました。シマッタ。

ところで、なんでメロンロード?と思って調べたら、津軽といえばリンゴ…だけではなくて、実はメロンの産地でもあるそうですね。知りませんでした。いずれにしてもフルーツの話なのでそれ以上はもう、ハイ。

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ロングストレートなメロンロードから、今度はクネクネの龍泊ラインへ。やがて到着した眺瞰台を龍飛崎だと勘違いして展望台に上がったら、半島の先端はまだまだ遠くにありました。

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わさおの『きくや商店』を出発して約2時間。ついに龍飛崎に到着です。愛知県からはるばる1,000キロオーバーの距離。う~~ん、実に感慨深い。とうとう来た!って感じです。お隣りの下北半島先端にある大間とはまた全然違う雰囲気です。誰が押したのか、石川さゆりの歌声が流れてきました。津軽海峡の冬景色はさぞかし過酷なのでしょうね。寒がりなので、冬に来てみたいとは思いませんが。

到着早々、まずは腹ごしらえ。ちなみにどれも「観光地にうまいもんナシ」のパターンでした。

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国道339号線。「これがあの階段国道かぁ~!!」と見とれてしまいます。たぶん私が『アウトライダー』誌で見たのは、麓側から撮った写真だったと思うのですが、かなり短い距離のように見えていましたので、頂上の駐車場から気軽に階段をトントントンと。

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実は362段もあった、この階段国道。すれ違ったおじさんが大汗をかきゼェーゼェーと肩で息をしながら上ってきた理由がようやくわかりました。これはヤバい。最後の九十九折区間でストップして、最後まで下ることは断念しました。それでもまたここから、この急な階段を戻らなければなりません。ゼェーゼェーおじさんの仲間入り確定でした。

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乱れに乱れた息を整えるため、国道の中腹(?)で記念のスタンプを。そもそもなんで階段なんだ??という疑問に答えてくれる案内板のようなものはありませんでした。

疲労困憊で上の駐車場まで戻ったら、今度はさらに遊歩道の階段を上へ上へと進み、灯台や自衛隊の施設(海上自衛隊竜飛警備所)のあるところまで。息を整えつつ、さらにゼェーゼェーおじさんを続行します。

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途中で自衛官とすれ違い、(おつかれさまです)の気持ちを込めて「こんにちは」と挨拶を交わしながら、ようやく先端に到着。このとき、目前の北海道を眺めながら、この広大な東北の地をついにすべて走破したという達成感に思わずニマニマしておりました。南会津や奥只見からこの龍飛崎や大間まで、東北は広い!広すぎる!さらに、まずもって愛知県から遠すぎる!!SRX600での初東北ツーリングから33年もの年月を要しました。よく頑張りました。自分にハナマルをあげましょう。

さてここからは、放物線を描いて愛知県に下る、旅の折り返しです。まだね、残ってるんですよ、お楽しみが。【東北・一度は行っておきたい】シリーズとか、デッシーにおすすめされてきた温泉宿とか…。まずはここから、3年ぶりの青森市内へと向かいます。

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東北旅◆深浦の大岩と五能線

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[青森県]

宿を出発し、途中立ち寄ったファミマからふと海のほうを眺めると、そこには巨大な岩山と遊歩道が。折しも低く垂れこめた灰色の雲をバックに浮かぶシルエットが印象的で、見てしまった、気になってしまったら、(あれはなんだろ??)と行っとくわけで。

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ここは五能線の深浦駅近く、国道101号線沿いにそびえる『大岩』。岩の穴を潜り抜けて急な階段を上ると、この大きな岩山の上に立つことができます。陸側からは見えない隠れ家的な頂上にはベンチが置かれており、ひとり静かに座って風に吹かれながら海を眺めている女性がいました。誰もいないと思っていたのでちょっとビックリ。

 

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ずっと【東北・一度は乗ってみたい鉄道】シリーズに含まれている五能線。秋田と青森を約150kmの単線で繋ぐ、有名な鉄道です。まずは旅立つ前に、なんとか乗り鉄できないかと日程と五能線の時刻表を照らし合わせて検討しましたが、どうにも往路復路がうまい具合に繋がりません。ここは潔く乗り鉄を諦め、ならばせめて撮り鉄をということに。過去、会津鉄道・三陸鉄道・JR只見線と、東北各地の乗り鉄を満喫してきましたし、鳴子温泉では浴衣にスリッパのスタイルで通勤通学のみなさんに混じって陸羽東線を乗り鉄しちゃいましたが、今回は控えめな撮り鉄でガマンしときます。

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海沿いにポツンと立つ、木造駅舎の無人駅『驫木駅』。映画のロケ地になっていたり青春18きっぷのポスターにも登場している駅ですから、(どっかで見たことあるゾ…)という人も多いのでは。他の撮り鉄が現れても邪魔にならぬよう、空き地の端っこギリギリにクルマを押し込んで停め、駅舎内の時刻表を確認してのんびりと待ち構えます。ちなみに『驫』の文字は轟だとばかり思い込んでいましたが、車ではなく馬でした。老眼あるあるでございます。待つこと30分余り、ようやく到着した列車の姿を駅舎の脇で撮り、次にすかさず高台まで駆け上がって再びカメラを構えたら、発進して走り去っていく際に警笛をもらいました。うれぴーです。

海岸沿いをずっと走り続ける五能線。リアス式海岸のトンネルやクネクネの連続を走る三陸鉄道も魅力的ですが、夏の風景にはこちらのほうがより似合うかも。

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東北旅◆十二湖と日本キャニオン

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[青森県]

その昔、名西カワサキのてんちょうさんと東北旅の話題から白神山地の話になって、互いに「一度は行ってみたいんだよねぇ~」と語り合っていた、ブナの原生林が広がる白神山地。とは言え、広大な白神山地に入っての本格的な登山や林道アタックはムリなので、不老不死温泉からクルマで30分、かの有名な青池がある『津軽十二湖自然休養林』を訪れ、約1時間の散策コースを歩いてみました。

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青池はもちろんですが、駐車場を管理するおじさんが勧めてくれた沸壺の池もとても綺麗でした。どの池沼も素晴らしい透明度です。怖いくらいに静かな誰もいない森の中で、ブナの巨木に手を当て目を瞑っていると、どこからかコン!コン!コン!と乾いた音が。見上げて音の主を探すと、すぐ近く(とは言ってもズームのないGRⅢxではキツい距離)の木にキツツキがいました。 コン!コン!コン!コン! 白神の深い森の中に、澄んだ音が沁みていきます。これは癒されるわぁ~~。美しいブナの原生林で清々しい森林浴をすることができました。ここに来てよかった。残り少ない人生ですが、一生の思い出ができました。

 

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十二湖へと向かう途中、(あれはなんだ!?)とクルマの中から驚いた、この風景。日本キャニオンと呼ばれているらしいのですが、なんとなく遠方から眺める程度なので、メジャーな観光名所にはなりそうもありません。それとも白神にわけ入る登山者なら、もっと近くで堪能できるのかな??

 

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本日のウォーキング距離は5キロ。宿で晩メシと風呂を済ませてから呑んだ『白神山地の湧き水で仕込んだお酒』のお味は…昔ながらのザ・日本酒でウ~~~ン???…でした。あとは、ブナの森とキツツキの打音を思い出しながら爆睡するだけです。

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東北旅◆イカ尽くしと不老不死

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[青森県]

途中、右手を行く五能線の列車とずっと並走、左手に広がる青い海を眺め、身を乗り出すようにして正面の青い空を見上げながら、あまりにもうれしくて、お笑いの小峠ふうに叫びます。「なんて日だっ!!」

秋田から青森へと県を跨いだ(コロナ騒動のせいでイヤな響きに感じる)直後の海岸沿い、須郷岬の断崖上にポツンとある『福寿草』に立ち寄って、イカづくし定食を注文しました。ツーリングマップルにも載っています。朝から営業がウリのようですが、午前10時、あまりヤル気を感じない(たまたまか?)お店でした。写真は飾られていましたが、実際のイカの天日干し風景も見てみたかった。

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イカづくし定食を食べ終えて30分ほどで、あの有名な不老不死温泉に到着。大昔から『アウトライダー』誌で見ていましたし、TV番組でもちょいちょい登場する露天風呂です。【東北・一度は行っておきたい】シリーズのひとつでしたが、ついに達成です。

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海沿いの露天風呂は、混浴と女性専用にわかれています。いざ混浴に入ってみると、すでに7名ほどのおっさんが集ってさほど広くはない丸い湯舟で輪になっているので、目のやり場に困ります。(女性待ちのワニならキモいな)と思いつつ、茶褐色の湯を両足でそっとかきわけてその真ん中を横断。海側の岩場に上がって座りこみ、素っ裸で汐風に吹かれながら、大股開きスタイルでずっと海とカモメを眺めていました。ほとんど温泉には浸からず、絶景だけを堪能です。温泉ザンマイを始める前は露天風呂サイコーな人間だったので「また来たい!!」と感動したかもしれませんが、特に東北各地の秘湯を満喫するようになった今、露天風呂よりも鄙びた内湯にこそ魅力を感じてしまう身体になっているので、ここ不老不死温泉も再訪したくなるほどでは…でした。ここで水平線の彼方に沈んでいく夕日を眺めていたら、また違う感想だったのかもしれませんが。いずれにしても、《行ってみなきゃわからないし語れないでしょ》主義者なので、ここを旅することができた自分にこそ満足しておきます。

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東北旅◆入道崎と秋田街ブラ

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[秋田県]

男鹿しょっつる焼きそばを食べ終えて走ること30分あまり、ついに半島先端の入道崎灯台に到着。クルマを降りた瞬間、「なんぢゃ、ここは!!??」と心の中で叫びましたよ。今回は東北お初をいくつか狙っているのですが、男鹿半島の先端はノーマークでした。「男鹿半島なら行ったことあるし」などとすかしていたら生涯見ることはなかったであろう、それはそれは見事な景色が広がっていました。広くて青い空や、キラキラと輝く(ホントにキラキラしていた)青い海、そして海岸ぎりぎりまで広がる緑の草原を目の前にして、ずっと感動しまくり興奮しまくり。今ふうに言うと「ヤバい!ヤバい!ヤバい!!」です。

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くれぐれも、入道崎に向かう≪なまばけライン≫と、入道崎からごんご崎方面に抜ける≪県道121号≫は外さないことをオススメします。あとは快晴を祈るだけ。

これだから東北旅、ますます【また来たいリスト】が増えて困る(うれしい悲鳴)わけですが、今日のところは素直にここを離れ、寒風山経由で秋田市内へと向かいます。昨夜の酒田街ブラもそうでしたが、今宵の秋田街ブラもお初です。

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午前中、鳥海山から遠く眺めていた男鹿半島。そしてその午後には、男鹿半島に立って鳥海山を眺めるという贅沢。一日中の快晴に感謝でした。

そして、寒風山パノラマラインを下り、巨大ナマハゲの横を再び通過しつつ向かった秋田市内。男鹿半島の絶景を堪能した2時間後には、立派でとても賑やかな秋田駅を散策です。

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駅前をメインに、秋田の街を初めてブラブラしてみましたが、蒸し暑いしソソラレルものもないしでヘトヘトです。昨夜が7キロ、そして本日もここまで8キロのウォーキング。今日はもういいでしょ…ということで、途中でハートランドビールを入手し、ツマミの買い出しを済ませたら、そのまま部屋飲みに予定変更。それにしても大満足の一日でした。

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東北旅◆鳥海山としょっつる

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[山形県・秋田県]

酒田市を出発し、鳥海山へと向かいます。鳥海山には、2004年に初代W650で訪れて以来だと思います。鳥海ブルーラインも走りましたし、山形県側の鳥海高原家族旅行村のキャンプ場で激しい雷雨に襲われ、朝起きたら周囲のキャンパーは全員避難していた…なんてことも今となってはいい思い出です。あのときは死ぬかと思いましたけど。そもそもは職場の東北研修中、秋田県人に案内してもらったときが初めてでしたから、今回は久しぶりの3回目。

あらためて当時の自分が書いた2004年の【東北キャンプ】を読んでみたら、あのとき、なかなか贅沢で濃厚な東北旅をしていたことに気づきました。夜明けの松本城・へぎ蕎麦・六十里越・川原毛大湯滝・泥湯・八幡平アスピーテライン・大沼キャンプ場・玉川温泉、そして気温36℃でサイドスタンドはアスファルトにめり込み、すれ違いで走るコーセーがシートから落下させたレインウェアを道端に目撃し、買い出しした納豆と温泉たまごを翌朝食べて思いっきり腹を壊すという、まさに真夏の東北旅のお初尽くし、あれやこれやが満載でした。この『道と空』は、まさに私の記憶補完装置。旅の思い出にもう一度浸ることができ、とても重宝しています。

そんな鳥海山は、1970年代にも噴火している標高2,236mの活火山。日本百名山に選ばれていますが、久しぶりに訪れてみて(こんなにも気持ちのいいところだったんだ…)というのが、まず最初の感想でした。GRⅢxの狭い画角で撮っても水平線が丸いです。

東北を旅していても、日本海側にはなかなか来ませんから、もったいないことをしているのかも。青い空と青い海が映えて、まさに鳥海のブルーライン。まっこと素晴らしい眺望でした。天候にも大いに恵まれました。

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海の向こうに遠く見えているのは、たぶん男鹿半島。今からあそこまで行こうと思うのです。

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予想外に暑かったし、けっこう日射しもキツかったけど、雲の形だけはちょっと秋めいています。もう二度と行きたくない岩木山の津軽岩木スカイラインと違って、ここは道も眺めもサイコーでした。またいつか。

 

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2018年のキャンプツーで訪れた(そんな昔だったんだ!?)男鹿半島には心残りがありまして。通りすがりについ快走し続けてしまって、行きも帰りも写真を撮りそびれてしまったこのふたり。巨大なナマハゲたちのことです。今回は絶対に立ち止まって撮るんだぞと密かに誓い、6年越しの心残り解消となりました。やっぱデカい!

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鳥海山から走ること約2時間。男鹿半島にはちょうど昼どきに到着しましたので、今回も立ち寄りたいと思っていた、男鹿警察署近くの男鹿しょっつる焼きそばの店へ再び。でも、実を言うと6年前のあの「これはおいしい!」という感動は蘇りませんでした。「横手焼きそばより、しょっつる焼きそば推し!」だったのに、ナゼだろう??

今宵は、昨夜の酒田街ブラに続いて秋田駅周辺で街ブラの予定です。まだ時間があるのでどうしようかと考えました。で、前回は訪れなかった男鹿半島の先端の入道崎に(灯台へ登ることができると知り)行っとくことにしたのですが、これがもう大当たりで。ツーリングマップルには、「草原の大地を走る 海の眺めも最高」とありますが、ホント、知らないってことは恐ろしいし、「行ってみないとわからない」は真理です。快晴に恵まれたおかげでもあるんでしょうけどね。

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東北旅◆酒田の倉庫と街ブラ

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[山形県]

山居(さんきょ)倉庫に到着。(コインパーキングにでも停めて歩くことになるのかな?)と想像していましたが、幸い、倉庫脇の駐車スペースが空いていました。

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西日や冬の強風から倉庫を守る41本の立派なケヤキの影が、建物の板目に映えます。巨大なコメの保管庫で、船着き場もあり、山形で収穫された米がこの倉庫から積み出され、船に載せられて遠くの港へと旅立っていった光景を想像してみたり。

初日の山形酒田は、土門記念館と山居倉庫で終了です。覚悟はしていましたが、早朝発の長距離走りで疲れました。あとはホテルへと移動して、夜の街ブラに備えます。

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荷を解いて、ビールを呑みながらの小休憩後、いざ、夕暮れどきの酒田の街に出てみると、思い描いていたイメージと違ってかなり閑散&コンパクト(繁華街は別のエリアなのか?)です。しかも目星をつけていた居酒屋は予約満席で入れず。最近、どこを旅してもこのパターンが多くてガッカリします。「なら予約しとけよ」って話なんですが、電車旅と違い、クルマやバイクでの旅は、いつも確実に街に到着して確実に予約の時刻に訪問できるとは限らないので、なかなかハードル高しです。さて、ならば他の店を…と、駅周辺を歩きつつ数少ない店の暖簾をくぐりますが、どこも予約でいっぱいデスの返り討ち。どうする、酒田?

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ウロウロと歩き回った挙句、なんとか無事に四川の中華料理屋が受け入れてくれました。街中華にそうそうハズレはないと思いますが、ここもなかなか美味。辛ウマの麻婆豆腐を食べていたら、「テーブルに置いてある花椒油を入れるとさらにおいしいよ」と勧められました。(ファージョウユ?ナニそれ??)と、年期の入った重鎮感を醸し出す小汚い(!)小瓶を手に取りますが、加減がわからぬままにちょっと入れすぎたのか、これがもう、口の中や舌全体がビリビリと痺れる猛烈な刺激です。でもね、ホントにますますおいしくなりました。

納豆好きな私は、帰りにスーパーに立ち寄って、どうやら有名らしい酒田の納豆をひとつお買い上げ。去年、雑誌『dancyu』の納豆特集にも掲載されていた、加藤敬太郎商店の『うど川原 酒田納豆』です。狭い部屋に納豆の匂いを充満させながら、寝る前においしくいただきました。酒田の街にはやや拍子抜けしましたが、東北を旅していてもなかなかここに宿泊することはないし、旅の初日としては満足できました。

そして翌朝。窓の向こうに広がる、夜明けの鳥海山の雄大なシルエット。本日も快晴!!の予感です。

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東北旅◆寿司と土門拳

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[新潟県・山形県]

近頃、ふと考えるのは、旅する目的です。現役で働いていた頃は、とにかく日本中の素晴らしい景色を見てみたい一心でしたから、唯一取得できる夏の長期休暇だけを楽しみに仕事をしていました。そしてそれはまた、非日常感とストレス発散の場を渇望して過ごす一年でもありました。今はどうかと言えば、もはやブラリと旅をすることは非日常ではなく、ありがたいことに日常の延長線上にありますし、ストレス発散の必要性も感じませんし、では旅のモチベーションはなんだろうと考えてみると、それはワクワク感かなと。ワクワク、コレ、ダイジヨ。

さてさて。たぶん28回目にして、今年は2度目の東北旅。年初は冬の福島満喫旅でしたから、今回は福島県以外を巡ることにしました。大好きな福島の道や街や温泉をあえて外すなんて、私的にはちょっと珍しい、それだけにちょっと新鮮な気分にもなれるプランです。そして今回、ずぅ~~っと言い続けてきた「未踏の白神山地と津軽半島と山寺に一度は行ってみたい」という夢と旅の願望を、ついに叶えるワクワク感も。

暦の上ではもう秋のはずなのに、ちっとも涼しくならない中部地方を脱して、東北の地へ。少しは秋めいていることを期待しつつ、まずは新潟まわりで山形県まで北上です。

午前4時出発。高速道路で長野・新潟両県をひたすら走り続け、日本海東北自動車道の村上山辺里インターを降ります。まだ新潟県内、東北入りにはあと少し…というところまで来ましたが、ここで自分とクルマの燃料補給です。

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午前11時。国道沿いにあるのにうっかり見落としそうな外観と、狭くて停めにくい駐車場が印象的な寿司店『和楽寿司』さんですが、お店の方々がみな笑顔を絶やさないステキな雰囲気のなか、「なんて綺麗なんだ!そしてすべて旨い!!」と呟いたにぎり寿司が、たったの1,400円。今どき、近所のスーパーでパック寿司を買ってきても1,000円くらいするのに、おいしいみそ汁つきでこの価格。今回の東北旅で初日の昼からいきなり感動(まだ新潟だけど)をいただきました。考えてみれば、昔、冬の新潟駅前で入った居酒屋の刺身もおいしかったし、フェリー待ちなどでちょいちょい食べる機会のあったラーメンもどこもハズレなしだったし、もしかして新潟、美味いモンだらけなのかしら??もちろん、へぎ蕎麦は除外。

再訪が叶うかはわからないけど(またいつか食べたい)の気持ちをこめて「また来ます!」と声をかけ、ガソリンを満タンにしたら、再び日本海東北自動車道で北上してようやく山形県。ついに東北入りです。まずは本日の目的地である酒田市へと向かいます。

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午後1時過ぎ。酒田市にある『土門拳記念館』(来年4月以降『土門拳写真美術館』)にやってきました。写真好きカメラ好きを自認しつつも、特に土門拳に思い入れがあるわけではなく、昔の著名な写真家という程度の知識での訪問でした。

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館内の展示は、≪THE EYES 土門拳が撮った眼~たとえ小さくても軽くても視線の強いものが、ぼくの被写体として残る≫というタイトルでした。原爆で命を落としていくこどもを最後まで撮り続けた写真や、残飯を漁る浮浪者、戦争で片足を失った男の写真など、どれも現代ではとうてい許されないはずの被写体の捉え方追い方で、かなりの衝撃を受けます。これらがモノクロではなくカラーだったら、直視できないかも。

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ここには一時間ほど滞在しました。土門師匠曰く、「写真は肉眼を越える」「絶対非演出の絶対スナップ」だそうです。今後、私の写真に影響を与えるのかは微妙ですが、強烈な拘りを持ち続けた人だったんだなということは理解しました。

ここから、最上川の河口を越えて市街地へと向かいます。そもそもここ酒田市でのおめあては、『ブラタモリ』で観た山居(さんきょ)倉庫。明治時代に建てられた倉庫群をこの目で見てみたいのです。

 

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