みむろ杉 純米吟醸 渡船弐号
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残しておいた『大信州 夏のさらさら』を開けて、Welcome back to The Rock Show youth in the "JUKEBOX"しました。セットリストは、浜省20~30代の頃のアルバムの中から。サイコーでしたね。アンコールのロックメドレーを歌い上げても、息も切らせていないことに驚愕。いつまでも変わらない、MCでの穏やかな語り口と、観客席に向かって何度も何度も深々と頭を下げる姿。こういう70歳に、私はなりたい(宮沢賢治ふう)。
「自分のこの人生の旅の終わりは、ゼロにすること、ゼロになることだという気がしています」
生まれてはじめて61歳になった今、最終的にゼロを目指す人生とは?と考えさせられる、浜省のひと言なのでした。寿命や貯金だけは着実にゼロに向かってるんですけどねぇ~。
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この、ジッポライターの佇まいときたら、必要な機能のみを与えられたモノだけが放つ美しさに溢れていると思うんです。「求めているのはタバコに火をつける道具ですよね?じゃあ、これで充分でしょ?」って語りかけてくるというか。開けたときのオイルの香りが好きだという人もいますけど、個人的にはこのシンプルな飽きのこない佇まいにこそ魅力を感じます。
なんでこんな話を書こうと思ったかと言うと、≪近ごろ、中古のフィルムカメラが爆売れしている≫というニュースを見たからなのです。7月にはペンタックスが新しいハーフサイズ(私も昔はハーフサイズを愛用していました)のフィルムカメラ『PENTAX17』を発売して話題になっていましたが、(絶滅したと思っていたフィルムカメラを今の時代にメーカーが新開発するなんて、ある程度の手応えや勝算があるんだろうな)くらいに考えていたところ、いきなりバックオーダーを抱える人気ぶり。驚いていたら、畳みかけるように中古のフィルムカメラも…というニュース。確かに名古屋・栄のキタムラ店頭にズラリと並べられたフィルム(相変わらず貴重な品扱いで高価ですが)のアピール具合といい、ホントにキテるんだなと。
暗室に籠って写真が浮かび上がってくるのを見る現像のワクワク感も知っていますし、旅から戻ってさっそく近所のカメラ屋さんに現像・プリントを依頼して受け取る(懐かしい『スピード仕上げ』のフレーズを思い出しました)ときのお楽しみ気分もよく憶えていますから、一枚も無駄にはできないという(デジタルカメラとは真逆の)フィルムカメラのひと押し入魂精神も理解できますし、コストがかかってもいいという一定数の(クシタニ名東店の店長さんのような)根強いファンがいることは認識していましたが、それにしてもまさかここまで復活するとは、メーカーも含めて誰も想像していなかったのではないでしょうか。
撮影を終えたフィルムを握りしめてカメラ屋さんに現像を頼む際に、よく「青空をクッキリさせたいから少しアンダー気味に焼いてください」なんてお願いをしていたものですが、せいぜいそれくらい。デジタルカメラのように、背面モニターでリアルに露出チェックもできないし、何枚も撮ってその場で削除なんてことも、取り込んだパソコンであとから修正するなんてこともまったくできず、それどころか、フィルムの装填にしくじって一枚も撮れていなかったり、不用意に裏蓋がカパッと開いて台無しになったりと、こんなにも不便なフィルムカメラを、それでも不便と思うことなく、必要充分でシンプルに楽しめる道具として再び愛で始めている人たちが大勢いるということ、さらには、見たこともない新しくて手間がかかるけどワクワクするモノとして、若い人たちにも認められつつあるということなのでしょう。
最近、こんなことを考えていたら、これまた「なるほどねぇ~」と感じることがありまして。
これは、先日のツーリングで南木曽町のセブンイレブンに立ち寄った際に、その店頭に貼られていたポスターなのですが…
"推しジャケ"。レコードアルバムのジャケットを楽しもうという案内文が書かれていて、これを読んだら「うん、それは楽しそうですね」と。好きなアーティストの好きな曲だけをネットで購入し、スマホに入れてイヤホンで聴くことがあたりまえになりましたし、オワコンとはいうもののまだCDが辛うじて売れている日本は世界中を見ても珍しいらしいですね。私たちの世代からすればCDですらもはや…です。でも、「あまつさえレコード盤なんて…と汝言うなかれ」なのですよ、今は。アナログレコード熱が復活していることは、少し前に大須をブラブラしていたときにプレーヤーが並んでいるのを見て気づきました。店員さんに尋ねたら「交換用のレコード針も普通に買えますよ」と言われてビックリ。懐かしいナガオカのレコード針(ダイヤモンド!!)とか、今もちゃんと買えるわけです。部屋の中を誰かがドタバタと走れば針が飛ぶし、プレーヤーの前に座って聴かなきゃならないし、そもそも静電気防止クリーナーでフキフキしたり、針を交換したりと、なにかと面倒なのに、あの不便さが今また見直されているという事実。でも、確かに推しジャケット、わかるんですよねぇ~。もしも自分がカフェとか始めちゃったら、間違いなく店内を手持ちのレコードジャケットでズラリと飾る(そして、めんどくさい店主認定される)に違いありません。ジャケットアートって、まるで絵画みたいにワクワクしましたから。(S宮クン、カフェを始めたらお祝いに行くから教えてほしい)
フィルムカメラもアナログレコードも、決して古くて不便なモノではなくて、写真を撮ったり音楽を聴いたりするのに必要充分でシンプルな機能美がちゃんとあったんだということを再認識するとともに、そういう振り幅が日本人にもあったんだと、感心したりしています。みんな、高性能とか多機能ってヤツにほとほと疲れ果てちゃったんでしょうか??そういう意味で今後が気になるのは、スマホですね。どこまで進化していくのか、それともまた、アンテナを引っ張って伸ばして「もしもし?」って話すだけの携帯電話も復活するのか。
そんなあれこれを、ジッポーを眺めながら徒然なるままに。
ついでに、呟いておきますけど。
9.27御嶽山噴火の裁判と、能登半島線状降水帯被害。どちらも、亡くなった方々のご冥福はお祈りいたします、もちろん。でも…という話です。
まず、御嶽山。遺族らが3億7,000万円の賠償金を求めて国や地元自治体を訴えていますが、これ、もしも気象庁の責任が問われて敗訴の確定判決となったら、全国各地に111もある活火山への登山そのものを禁止する法律をとっとと制定するべきです。もしも活火山への観光登山が自己責任でないのなら、国民の生命身体財産を守るすべはそれしかないでしょう。「自分の意志で活火山に登っておいて、いざ事が起これば他責にするのか」と、昔は山に登っていたひとりの人間として、心の底から疑問に思います。ツーリング中、山道に浮いていた砂で転んだって道路管理者を訴えたりしませんし、年券買って鮎釣りに通ったのに一匹も釣れなかったとしても、それで漁協組合を訴える釣り人はいないのでは。
「ちょっと熊を見てみたいから行ってくるわ」
「あのエリアは県も町役場も注意を呼び掛けてるし、危ないからやめときなよ」
「別に法律で禁止されてるわけじゃないし、人が死んだのは1か月前だし」
「もしかして猟師さんに同行してもらうとか?」
「まさか。気軽な観光だから熊を見たいという仲間と行くよ。いざとなれば携帯電話で助けを呼べばいいし」
と、私が言ったらずいぶん愚かな奴だと思われるでしょうが、「熊」を「活火山」に、「1か月前」を「100年前」に、「猟師さん」を「活火山を熟知した登山ガイドさん」にそれぞれ置き換えてみれば、同じくらい愚かな人たちの姿が見えてきませんか。「登山がご趣味なの!?まぁ~ステキ!」なんておだてられて、それを本気にしていてはダメですよ。登山に興味などない人間は、観光でわざわざ活火山の火口を眺めに行って足を挫いたとか言っては気軽に携帯で助けを呼ぶ迷惑な連中だとしか思っていません。
それから、能登半島。元旦の大地震に続き、このたびの水害。神も仏もあるものかと思いますが、一旦撤収していた自衛隊が再び災害派遣されて現地で活動している映像をTVで見ていて、またいつもの疑問が。常日頃、各地の自衛隊基地の前で「自衛隊なんか要らない!この国なら憲法9条で守れるぅ~!自衛隊は憲法違反だぁ~!!」とノボリ旗を立てシュプレヒコールを上げている連中は、阪神淡路地域にも、東北各地にも、熊本にも、能登半島にだって住んでいるでしょうに、被災地で「自衛隊は帰れぇ~!!」と、派遣された自衛隊員に向かって気勢を上げている映像を未だに見たことがないのですが、よもや、シレッと仮設風呂に入れてもらったり、配給品を受け取ったり、ヘリで助けてもらったりしていないですよね?当然、「自衛隊なんかの世話にはならん!」と断っているんですよね??分け隔てなく国民の生命身体財産を守ろうと頑張ってくれる自衛隊のみなさんの代わりに、ちょっとプロ市民のみなさんに問いかけてみた次第です。
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9月も末になってようやく涼しくなったので、初夏に始めていた『走り慣れた峠を、今、改めて満喫するツーリング』を再び。今回は久しぶりの安房峠へと出かけます。革ジャケット&ウインドストッパーのインナーというスタイルで朝焼けの5時半に出発ですが、つい先日まで「メッシュでも暑い!こんなのムリ!!」と嘆いていたのに、いきなり革ジャンでも寒いというこの極端さ。先週まで猛暑日とか真夏日とか言ってたはず…。
眺める機会がちょいちょいある、ピーチライナーの解体工事。ずいぶん前から始まっていたので、あっという間に撤去されるのかと思ったら、意外にもスローペースです。桃花台と名鉄小牧線を繋いで名古屋への交通の便を向上させた(つもりだった)ものの、巨額の赤字&人口減少で黒字化の夢が絶望的となり、とうとう廃止されました。実際の使い勝手があまりにも悪すぎて、桃花台の住民が専らJR春日井駅を利用した結果がこれですが、そもそも桃花台という陸の孤島を開拓して「もう陸の孤島とは呼ばせません!!」と謳った際の目玉商品がこのピーチライナーでしたから、今またせっせと未開の孤島に戻す工事をしているということになります。元職場の先輩後輩にも、バブル期にこの桃花台を終の棲家に選んで開拓民として移住していった人たちがいましたが、さて、今はどうしているのでしょうか。
国道41号を素直に北上していきます。まずは飛騨金山で休憩。なんとも不思議な造形の雲だったのですが、悔しいかな、GRⅢxの画角では全体像が写せません。とても高く感じる青い空を見上げながら、いつもの明宝フランクを暖かい(!)缶コーヒーとともに。思わぬところで、ほんの少しだけ秋を実感しました。
国道41号を走っているといつも眼下にチラッと見える、JR高山本線の渚駅。間近には見たことがないので、ちょっと寄っときましょう。
無人駅で、2018年度の一日平均乗車人数はひとり…らしいです。とってもかわいい駅舎でした。なんでこんな山深いところなのに『渚』なのかと気になっていたわけですが、元々は地元集落の名称らしい、としか判明せず。
すぐ近くの道の駅『飛騨街道なぎさ』で再び休憩。ここの気温計が、午前9時少し前の時点で21℃でした。ここから北上するとすぐに現れる分岐を右折、国道41号から外れて『飛騨農園街道』へと進みます。平日の朝なので快適な貸し切りロードですが、あまりにも人の気配がなさ過ぎて動物の直前飛び出しが心配なので、慎重に走ります。ノンビリと流していても、ここは気持ちいいですけどね。所々のカーブには砂も浮いているので、くれぐれもご注意を。
この街道沿いには、かっ飛ばすと気づかない、このような癒しスポットもいくつかあります。
美女高原経由で高山市街地を避け、国道158号にヒョイと合流します。さて、まずは平湯峠へ。正確には、平湯峠の頂上は平湯トンネルよりもさらに上にあります。
平湯トンネルを抜ければ、すっきりと快晴。交通量もまばらで静かです。20代のころから欠かさず年に1~2度は麓の平湯キャンプ場に来ていましたが、もはや4シーズンのご無沙汰中。輩キャンプブームも落ち着いたらしいし、春先には「よし、今年こそ再開しよう」と心に誓いましたし、そして、もしも再開するならここ平湯から…とも考えていましたのに、結局は再開しないまま晩秋を迎えてしまいそうです。
峠道を下り、平湯のキャンプ場やバスターミナルの前を通過したら、いよいよ久しぶりの安房峠。麓の『神の湯』は今も閉鎖されたままでした。2014年の法面崩落からなので、もうかれこれ10年。平湯温泉発祥の地は、このままひっそりと朽ち果ててしまうのでしょうか。寂しいことです。
標高1,790mの国道158号・安房峠。上高地への岐阜県側からのアプローチには、安房トンネルが開通するまでこの峠道が使われていました。20代の頃のツーリングでは、早朝乗鞍スカイラインを満喫した後に安房峠を下ってそのまま上高地入り、クルマの大渋滞を横目にすり抜けすり抜け一番奥の駐車場まで行けてしまうという優越感ったら…でしたが、問題はこの安房峠。平湯バスターミナルと上高地をピストンする観光客満載の路線バスが大量に走行していたので、狭い道、急坂、急カーブの連続を喘ぎながら走る、黒煙ディーゼルモクモク&ノロノロ運転のバスの後方に、イライラMAXのクルマやバイクの数珠つなぎが遥か彼方まで続くという光景(週末紅葉シーズンの乗鞍スカイラインや安房峠を取材する報道のヘリからは、まるですべての道が駐車場に開放されてしまったかのように見えたことでしょう)でした。当時、家族で上高地にでかけたおりに平湯バスターミナルからのバスを一度だけ利用したことがあったのですが、すれ違いが困難な極狭路やカーブをゆっくりと走りながら、バス同士で無線のやりとりをしてタイミングをはかりつつ、退避場所でのすれ違いとスイッチバックを繰り返していたことを知りました。今では上高地も乗鞍スカイラインも、マイカー規制のおかげでとても静かで穏やかな景色ですが、こうして思い出してみると、昔はホントにとんでもなかったですね。しかも驚くべきは、当時はどこの観光地でもあれがあたりまえだったということです。
穂高連峰を望む、安房峠の頂上に到着しました。壁面に「安房峠」と大きく記されていた茶屋の建物も今はもう撤去され、クルマを数台停められる程度の狭い更地があるのみ。岐阜・長野の県境を示す標識柱だけがポツンと立てられた、酷道156号温見峠の頂上にも似た景色です。
かつてはこの峠道の途中に乗鞍スーパー林道も接続していましたが、現在は鉄柵で閉鎖されたままになっています。
直線でもこの狭さなのに、こんなクネクネ峠道を多くの観光バスやクルマやバイクが連なって峠の両側から上がってきては、そこらじゅうで困難なすれ違いバトルを繰り広げていたんですから、乗鞍スカイラインから上高地に至るまで阿鼻叫喚、すべてが排気ガスまみれの騒音まみれでした。近ごろのオーバーツーリズム騒ぎなんて目じゃない、まさにバブル期の日本人が観光地で繰り広げていた『いにしえの狂気』です。
久しぶりの安房峠、満喫しました。まもなく始まる紅葉シーズンの週末にはきっとかなりの賑わいなのでしょうが、今ならまだ静かです。冬季閉鎖前にぜひ。
ここからは、奈川ダム経由で藪原に向かい、国道19号で南下します。乗鞍スーパー林道や野麦峠はパス。途中、いつもの蕎麦屋で蕎麦でも…と考えていたのに、到着してみたらなんと定休日。ならば国道19号沿いのあのラーメン屋で…と思ったら、今度はちょうど昼どきの満席。昼メシ難民と化してしまいました。
仕方がないので、南木曽のセブンイレブンで牛乳パンとクラフトボスの甘くないイタリアーノ(近ごろのお気に入り)を手に取り、さらに話題の『店舗で揚げたてカレーパン』を食べてみました。これがフルーティー(フルーツは嫌いだけどフルーティーは好き)でなかなかおいしかったです。
本日は、380kmを無給油で走行。オドメーターがまもなく9万5000kmに達しようかというエンジンで、相変わらずの燃費リッター30kmオーバーは凄いです。給油してみると1.5リットル残でしたので、計算上はあと30kmほどなら余裕で走れそうですが、ガス欠の恐怖を煽ってきてウザいのが、ずっとフューエル!!フューエル!!と点滅するメーター内液晶の警告。「警告が始まってから何キロ走ったかを目視したいんぢゃぁ~!トリップメーターを表示させろや、ボケェ~!!」と叫びたくなるこの仕様はKLX250も同様でしたが、二輪車に乗ったことのない人間が設計するとこうなるという見本です。でも、現行の高額なWやメグロではきっと改善されているんでしょ??まさか、140万円も出してフューエル!!フューエル!!ぢゃないですよね?
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服をかける、ハンガーの話です。
独身寮にいた頃は「クリーニング屋さんの針金ハンガーでイイっしょ」でしたが、今は革ジャンは革ジャン用に、スーツやスラックスにはそれ専用の、それぞれ別のハンガーを使用しています。もっとも、もはやスーツやスラックスの類は、退職と同時にそのほとんどを処分してしまったわけですが。
今までは休日に着るだけだったのに、自由の身となって以降、毎日のようにTシャツやパーカーを着ます。なので、洗濯しても畳まずにハンガーに吊るすようになったのですが、そこで気になり始めたのが、ハンガーによる肩部分のもっこりグセ。それと、ツルツル軽量素材の服がハンガーからスルスルッと滑り落ちる現象。で、(なんか解決策はないものか)とAmazonを眺めていて見つけたのが、このMANAの『滑らないハンガー』。ドイツ製らしいのですが、別に凝ったモノでもなく至ってシンプルな作りですし、値段も安価です。これを愛用し始めてから一年以上が経ちましたが、その形状のおかげで肩もっこりもなくなり(干すときからこれを使えばさらに)、布地に対してグリップ力があるので首回りの伸びも防ぎ、クローゼットの中でアレコレ触っても軽い服やナイロン系素材の服が滑り落ちたりもせず、また、フレームがスリムなのでTシャツをズラリと並べても場所を取らないという、いいことだらけのハンガーです。唯一の欠点は、そのグリップ力のせいで未使用のハンガー同士が引っかかることくらいでしょうか。
ニトリとかにもきっと類似品が売っていると思いますが、これは「買ってよかった」ワードローブ関連グッズでした。そうそう、バイク用だとメッシュジャケットにも。さらさら素材に肩や肘部分に入れたプロテクターの重みが加わってしまい、ハンガーにかけても頻繁にずり落ちる…なんてときにもコレは良い具合です。
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Canon PowerShot G12
最近、ネットやバイク雑誌でも目にするんですが、岐阜県七宗町の『そらふさがり』なる場所。(へぇ~面白そう)と思ったんですけど、んっ!?アレ?その写真の風景、走ったことあるゾ。あれは…たぶんKLX250だ。
いつだったっけ?と外付けHDDに保存してある昔の写真を辿ってみたところ、2011年の晩秋に出かけていたようです。震災直後の春にはバルカン900で会津弾丸ツーに出かけていたので、KLX250へと乗り換えてからのツーです。画像のExif情報を確認して思い出しましたが、当時の私が使っていたカメラはキヤノンG12。うわっ、懐かしい。
KLX。キャンプ道具を積んで東北まで走れば尻肉が完璧に壊れるわけですが、久しぶりに、こうしてあの頃の写真をアレやコレやと眺めていると、楽しかったという思いのほうが勝ります。やはり、軽い単車はしみじみサイコーです。《単車で見栄を張る》人には理解できないでしょうが、《単車で楽しむ》人にはわかってもらえるでしょう。
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『わるい夢たちのバザールⅡ』は面白かったのですが、こちらは〈マイル81〉の漫画チックなB級ホラーテイストに、いきなりワクワクモードを挫かれました。収められている全10編のうち、面白かったのは「なにかやらかしたのか?このワシが??」と呟く日本の逆走老害のような認知症の老人を描く〈バットマンとロビン、激論を交わす〉、読後の後味がじわじわと苦い〈砂丘〉、『IT』のピエロを彷彿とさせる〈悪ガキ〉くらい。元々は『わるい夢のたちのバザール』Ⅰ.Ⅱで一冊の短編集なのでセットで読むべきでしょうが、なんならⅡだけでもよかったような…。でも、琴線(もしくはキン線)に触れるポイントは人それぞれ。こっちのキングにハマるという人もきっと大勢いるのでしょう。〈アフターライフ〉に登場したリッチー・ブラックモアの父親に驚き、思わず手を止めて彼の職業が本当にトラック運転手だったのかをネットで調べたのですが、結局わからぬままでした。キングがAC/DCのファンだという話はなにかで読んだことがありますが、もしかしたらディープ・パープルやレインボーも聴くのかな。
キング中毒も、さすがに短期間で過剰摂取気味です。大昔の免疫ももはや薄れていますので、こうも連続で読みまくるとメンタルをやられそう。ちょっとペースを落としますが、今年はこのままキング50周年記念祭りです。
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原題は『リバイバル』。ウィキペディアによれば、キリスト教の世界においては《信仰復興》の意味をもつ言葉らしく、この小説においてには《復活・蘇生》の意味と重ね合わせたタイトルとなっているように感じられるのですが、なぜか邦題は『心霊電流』。このネーミングセンスはいったいなんだと、実際に文藝春秋に問い合わせた読者もきっといるに違いないと思っています。
妻子を失った若い牧師の、神を呪うその後の人生は、しかし電気に魅せられた新興宗教の教祖のようなふるまいであり、ヘッドギアを着けたオウム真理教の信者たちの姿を思い出させます。ラストはキングらしさ全開ですが、とうとう『ペットセマタリー』のような狂気に突き進むのか…と思ったら、あっさりと終了でした。町に赴任してきた牧師とその家族、町の人々、主人公一家の暖かくも切ない交流がメインに語られる上巻のほうが読み応え充分なぶん、いかさま魔術師と化した牧師の恐ろしさは唸りをあげるアンプのようにエンディングの向かって増幅していきますが、いざ読み終えたときの「また凄いキング読んじやった」感は、かなり薄めです。物語の最後、ハワイにいる兄弟の身に「実は…」の大どんでん返しがあるのでは!?と期待しましたが、そこは肩透かしを食らいました。でも。私のキング愛は期待どおりにこの夏、確実に《リバイバル》したもようです。
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ついに観ました、『エイリアン』の最新作。時系列としては、一作目の『エイリアン』と二作目の『エイリアン2』の間に位置する物語だそうです。1980年代の映画で宇宙生物といえば、牧歌的なスピルバーグ監督の『E.T.』よりも、断然、リドリー・スコット監督のグロくて気持ち悪い『エイリアン』派だった私ですから、今作の存在を知ってそれはもうワクワクしておりました。で、いざ観終わって、エンドロールを見つめながら考えていたのは(この続編を今の世に披露する意味はなんだろう???)でした。制作に名を連ねたリドリー・スコットがどの程度手を出し口を挟んだのかは知りませんが、主役であるはずのエイリアンの恐ろしさよりも、例のアレ(ネタばれになるので書きませんが)のおぞましさのほうが目立ってしまって、後味が悪いです。『エイリアン』最新作を観たぞぉ~!!という感動はなく、『エイリアン』に変な化け物が出てきたよ…って感じです。そう、間違えて『バイオハザード』を観ちゃった気分かも??
無重力を利用することで思いっきりエイリアンに反撃できちゃうという爽快シーンもありましたし、どこか能年玲奈(のん)に似た雰囲気を持つ、主役のケイリー・スピーニーはなかなかステキな俳優さんでした。だから、「今さらエイリアンなんて、観るんぢゃなかった!」とは申しません。彼女はまもなく公開の『シビル・ウォー』にも出演しているらしいので、近々また映画館で観るのが楽しみですし。
あまり期待せずに観た『フォールガイ』が思いのほか面白くて、期待値MAXの『エイリアン ロムルス』にはちょっとガッカリという、そんな今年の夏映画でした。秋映画は『シビル・ウォー』と『十一人の賊軍』に期待してます。あと、【午前十時の映画祭】の『プライベート・ライアン』も。
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どうやら悪い夢を見るだけじゃ済まなくなってきたようだ。そう、思い出した。蒸し暑い夏の夜、とある民家の前に立ったときのことを。かなり古い木造二階建てのその家は、一階部分がガラスの引き戸と広い土間のある昔ながらの商店で、夜になると白いカーテンを引いて《今日はもう店じまいだよ、また明日》と告げるんだけど、そのときこの家の中には年老いた老婆と嫁と幼い女の子がいて、ときおり悲鳴が聴こえてた。なんでかって言うと、この老婆の息子でありこの嫁の夫でありこの女の子の父親である男が、そのいかれた頭で例のアレを受信して暴れていたから。白いカーテンには蛍光灯の灯りに伸びたり縮んだりする男のシルエットが映し出されていたんだけど、その影絵のタイトルは『チェーンソーで踊ろう!』。陽に焼けてところどころにシミ(血ではなかった)の浮かんだ古くて白いカーテンの向こう側で、ぶぅんぶぅんと唸りを上げているチェーンソーの音と「おとうさん、やめて!!」という叫び声を耳にしながら、(こりぁ、まるでホラー映画のワンシーンだ)と考えていた。薄暗い街灯に照らされたとても静かな住宅街の狭い路地に立ち尽くして…。
またあるときは、こんなこともあったっけ。ひどく頭のイカれた女を精神病院に連れて行ったんだ。こっちは祈るような気持ちさ。とにかくこのクソったれを最高のクソ認定してほしいってね。でも、クソはクソのくせにこう言うんだ。「ドクター、こいつらなんもわかっちゃいないんだよ。ドクターにはわかるはずだよ。アタシがまともだってことを。たしかにちょっと混乱はしてるけど、でも、それほど狂っちゃいないさ。ねっ、そうだろドクター?」って。で、ドクターは少しだけ考えて(もしくは考えたふりをして)こう言う。「そうだね。たしかにおクスリを飲み忘れたせいで興奮しちゃったみたいだけど、でもまぁ~入院させるほどじゃないな」と。万事休す。スリーアウトチェンジ。攻守交替さ。で、帰り道、頭に来てるオレたちはヤツに向かって悪態をつく。「さっきまでの暴れっぷりはどこ行ったよ?なんだよ、ドクターの前に座ったとたん聞き分けのいいお利口さんになりやがって」と。ヤツがなんて返事したか知りたいかい?なにもさ。なにも言わない。クルマの後部座席で背中を丸めてうなだれていた顔をゆっくりとこちらに向け、額に垂れたボサボサの髪の毛の隙間からただニヤッと笑ったのさ。でもまぁ~、これはよくあることだ。たしかに包丁を振り回していたわけじゃないし、忘れずにクスリをちゃんと飲んでいれば「集団ストーカーを止めさせろ!」とか「壁からアンテナが出てきて盗聴される!」とか、まぁ~その程度。人畜無害。愛すべき隣人さ。でもね、もっと悲惨なことをやらかすかもしれない。もっとクソみたいに悲惨なことを明日にも…。
と、私の体験談をキング・テイストで語ってみましたけど、そんな遠い(もしくはそれほど遠くない)記憶が急に蘇ってきたのは、この短編集の冒頭に置かれた〈N〉を読んだから。当時もこう思っていました。(医者って、毎日毎日こんなトチ狂った話を聞かされてるんだな)って。この本は2008年に出版された比較的新しいキングの短編集ですが、どれもハズレなしって感じでした。特に最後の〈どんづまりの窮地〉ときたら、不快指数が激MAXです。もしかしてこれを書く前に実際に試したのかキングは??って疑うくらいにね。
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やめられない♪止まらない♪のは、かっぱえびせんとスティーヴン・キング。
(映画にもなった〈霧〉は大昔に読んだはずだけど)…と思いつつ、まず最初の〈ほら、虎がいる〉を読み終えた時点で、んっ?アレ??これも読んだことあるような…と。慌てて巻末の解説に目を通してみたところ、【この短編傑作集は、その昔、扶桑社から出版されていた『骸骨乗組員』『神々のワードプロセッサ』『ミルクマン』を精選して、改めて再出版したもの】との説明がありました。それなら間違いなくすべて読んでます、私。書店で手に取ったときに【2018年 第一刷】の巻末記載を確認していたので、てっきり新しめの短編と古い〈霧〉を組み合わせたものだと勘違いして購入してしまいました。でもまぁ~、いざ読み終えてみればどれも見事に私の記憶からは消えていますから、すべてを新鮮な気持ちで読むことができました。なかでも〈ジョウント〉の肌がゾゾゾッとする感じときたら。時々こうした(これで終わらせるのもったいないのに!!)っていう素晴らしい短編作品に出会えるのも、キング中毒患者の贅沢な特権でしょう。
ちなみに。
映画『ミスト』とこの原作ではエンディングが違います。映画のほうが後味悪しです。
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「あのキッスがディスコミュージック!?」と、アルバム発売当時は侃々諤々だったあの有名な曲のイントロがオープニングで流れ始めた瞬間、鳥肌が立ってしまいました。他にもAC/DCの名曲だったり、劇中映画のタイトルロゴがメタリカふうだったりと、なんだかワクワクさせるぢゃないの??と。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のマイケル・J・フォックスを彷彿とさせるスケボーふうのアクションシーンだったり、ペンをブッ刺す『ジョンウィック』ふうのアクションだったりと、色々な映画へのオマージュが散りばめられていて、なんだかもう、映画人が大勢集まって、映画撮影の名目でド派手なパーティー繰り広げて思いっきり遊びまくっているかのような映画です。スタントマンの主人公が「どうせ顔を合成するならトム・クルーズにしてくれ」とか言いながら様々なスタントシーンの撮影の裏側をさりげなく紹介しつつ、物語の中のアクションシーンも普通の映画として繰り広げるという、メチャメチャ楽しめる贅沢な一本でした。エミリー・ブラントもトムとの共演でアクションは開眼済みですし、ちゃんと見せ場も用意されていましたが、魅力たっぷりな彼女の存在のおかげで、素晴らしいラブコメ映画にもなっています。そして、そうそう。あの80年代アクションスターの名前がつけられたかわいい犬もね、大活躍です。どうやらこの映画には元映画(TVドラマ?)があるみたいだし、劇中映画も実在するらしいし、それら繋がりのカメオ出演俳優も何人かいたとのこと。
玄人受けもしつつ、私のような素人映画ファンも喜ばせてくれるという、映画に関するネタがエンドロールまでテンコ盛りの『フォールガイ』。封切早々に観るつもりだったのに行きそびれていて危うく見逃してしまうところでしたが、ホント、観ておいてよかったです。小難しく「あれってどういう意味だったんだ?」などとあとから頭を悩ませることのない、ひたすらスカッと楽しいおバカ映画でした。そして、家に帰って考えたのは、「自分でスタントやっちゃうトム・クルーズって、やっぱ破格のスケールでお送りする映画スターだわ!!」ってことですな。
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まずはキングではなく司馬遼太郎の話を。8日の深夜からNHKで始まる『坂の上の雲』。2009~2011年に三部作で放送されたものですが、今回の再放送を知ったときからずっと楽しみに待っていました。今、久しぶりに本棚の『坂の上の雲』を手に取ってみたら、文字サイズがメチャメチャ小さい。そんな≪昔の文庫本あるある≫の全8巻は老眼に過酷ですが、放送がすべて終わったら、今度は改めてこの原作の読み直しを始めていることでしょう。
さて、今回は2015年発表の短編集。それを二分冊したうちのひとつです。ちなみに〈夏の雷鳴〉とは、キングの愛車でもあるハーレーが奏でる排気音のこと。
〈ハーマン・ウォークはいまだ健在〉〈鉄壁ビリー〉がお気に入り、〈酔いどれ花火〉はキングらしくないというか、イヤ、これもずいぶんキングっぽいのかな。そして、ラストの〈夏の雷鳴〉はうんと切ない物語でした。キングがモダンホラーの帝王なんて言われながらも昔からホラー一辺倒でないことは、熱烈なファンでなくても、映画『ショーシャンクの空に』や『スタンド・バイ・ミー』、そして『グリーン・マイル』などの原作者としてのキングをイメージしてもらえばお判りいただけるかと。日本人作家だと東野圭吾みたいなイメージでしょうか。
昔の感覚、だんだんと蘇ってきました。読みだしたら止まりません。あの頃は新刊を待ちわびては次から次へと貪るように読んでいましたが、ここ20年あまりの間に出版された未読の作品が、今はたっぷりとひかえていますので、50周年記念と銘打って文藝春秋から刊行予告が発表されている複数の新しい小説(『コロラド・キッド』『異能機関』『ビリー・サマーズ』『死者は嘘をつかない』)はとりあえず置いといて、まずは空白期間の作品をアレコレいっときます。再発確定、久しぶりのキン中(スティーヴン・キング中毒患者)です。
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A5牛丼セット。安定の冷麺よりも、牛丼のおいしさに一口目からビックリ。そして二口目にはハタと気づきます。(こっ、これは、あのおいしかったころの吉野家の牛丼の味ぢゃないかっ!!)と。まさかあの懐かしい味にここで再会できるとは…。そして、シークワーサービールやざるもずく以上に興奮気味だった初体験の紅芋コロッケ。う~~ん、昼も夜もうまいもんだらけでした。どちらも八百津の『三勝屋』さんのような【頻繁にTVや雑誌で紹介される有名店】ではなさそうですが、味は確かです。
我が家のベランダから見える夕日。夏の間、伊吹山の北側に隠れていった太陽も、近ごろでは関ケ原を越えて南側の養老山脈の向こうに沈んで見事な夕焼けを赤々と。「秋が来るなぁ~」と感じる、毎年変わらぬ景色です。
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RICOH GRⅢx
あまり過度な期待は持たずに読み始めた、スティーヴン・キングの中編集。表題作ともうひとつ、どちらも女性が主人公であり、どちらも≪女性が悪いヤツらをブッ殺す!!≫ストーリーとなっております。しかも、どちらも200頁程度ですので、まどろっこしいプロットはすっ飛ばしてのスカッと爽やかコカ・コーラ(ただし、涎まみれクソまみれゲロまみれ血まみれ&蠅がたかり蛆が湧くキング製法コーク)なクライムサスペンス。長編『ミスター・メルセデス』の2作目3作目よりも、うんと面白く読むことができました。相変わらずキングの描くクソ野郎は正真正銘のクソですが、読後には、このときのメタリカと同じくらいにスカッとします。
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